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Heartlogy Matrix 「あなたの誕生花」

9月の花散歩

◆1日〈萩〉(はぎ)誠実、柔らかな心
東アジア原産。まめ科。日本に自生するヤマハギ、マルバハギ、シラハギなどを〈萩〉とよびます。秋の七草の筆頭。控えめな風情が愛され万葉の時代から歌に詠まれてきました。秋の十五夜には昔から縁側などに薄(すすき)や萩を飾りおもちを供えます。そのおもちを〈御萩〉(おはぎ)と言うのも味わいがあります。秋のお彼岸には秋の花〈萩〉にちなんで「おはぎ」、春のお彼岸には春の花〈ぼたん〉にちなんで「ぼたもち」を供えますが、これは呼び名が違うだけで同じものです。

◆2日〈藤袴〉(ふじばかま)ためらい
菊科。秋の七草のひとつ。〈藤袴〉の名前は、花色が藤色で、小さな可愛らしい花の姿が袴(はかま)に似ていることに由来します。昔は、ほのかな香りがあるのでお茶にしたり、防虫剤としても使われたようです。 遠く平安の昔を思わせる、ゆかしい雰囲気の花です。 「秋の七草」は、萩(はぎ)/桔梗(ききょう)/撫子(なでしこ)/薄(すすき)女郎花(おみなえし)/葛(くず)/藤袴(ふじばかま)

◆3日〈桔梗〉(ききょう)誠実な愛
日本、中国、朝鮮半島に自生。桔梗科。6月ごろから咲き始めるのですが、日本では秋を代表する花、秋の七草のひとつとして古くから愛されてきました。また、家紋に取り入れられるなど、その凛とした風情が昔から武士に好まれました。根にキキョウサニポンという薬効成分があるため、中国では鎮咳などの薬として古くから用いてきました。日本では、その花姿を歌に詠み、また茶花として愛でて生活の中で眺めてきたようで、〈桔梗〉という漢字を見ても日本的な情緒を感じます。

◆4日〈ペンタス〉誠実
熱帯アフリカ原産。アカネ科。春から秋にかけてと開花時期が長いのですが、夏の終わりから秋にかけての寄せ植えにおすすめ。星形の小さな花を一箇所に房状にまとめて咲かせ、花色は赤、白、ピンクなど。その可憐な花姿が初秋の涼しさを呼び、暑かった夏の疲れを癒してくれるようです。寒さには弱いので、鉢上げして室内で冬を越せばまた翌年楽しむことができます。

◆5日〈女郎花〉(おみなえし)純真
日本原産。おみなえし科。遠い昔からこの繊細な花姿は人々に愛され、秋の七草のひとつになりました。おみな=女、えし=圧という意味らしく、“圧倒するくらいの美しさ”から(おみなえし)。古人の美意識がうかがわれるような気がします。地味な花ですが、秋になると一度は眺めてみたいと思う花です。園芸店でも秋の花のアレンジメントに好まれていますが、やはり秋風に揺れる姿を山野で見るのが一番でしょう。白い花が咲くものを〈男郎花〉(おとこえし)とよびます。

◆6日 〈紫苑〉(しおん)追憶
日本、中国、朝鮮半島原産。菊科。古く平安時代から日本人に愛されてきました。「今昔物語」には〈思い草〉〈忘れぬ草〉として、また「源氏物語」「枕草子」にも登場します。紫色の花びらに黄色の心花が、秋風に揺れる姿は可憐で、どこから見ても東洋的な美しさに溢れた花です。

◆7日〈金襴紫蘇〉(きんらんじそ)健康
熱帯~亜熱帯地域原産。紫蘇科。一般には〈コリウス〉という名で親しまれていますが、和名で〈金襴紫蘇〉と読むとその姿がよりイメージできます。もうひとつの花言葉に〈善良な家風〉がありますが、庭や花壇に咲くさまざまな色合いの美しい葉は、健康的な一家団欒の風景を感じさせてくれます。挿し芽で増やせる種類のものがあり、簡単に増えますので毎年、楽しむことができます。

◆8日〈金木犀〉(きんもくせい)謙遜
中国原産。木犀科。中国では「お月さまには木犀の大木が茂っている」という言い伝えがあるそうで、それは中秋の名月の頃に、どこからともなくその香りが漂ってくるからなのでしょう。
小さな花のどこにその香りが詰まっているのかと思うほど、遥か遠く彼方からその芳香はやってきます。白い花が咲くものを〈銀木犀〉(ぎんもくせい)と言います。庭があったらぜひ、金銀の木犀を揃えたいものです。花言葉のひとつに〈想い出の輝き〉があります。香りと共に記憶する想い出がありますから、木犀の香りはそれくらい印象的だということなのでしょう。

◆9日 〈杜鵑〉(ほととぎす)秘めた思い
日本原産。ゆり科。野鳥のほととぎすの胸元の模様と似ているので、同じ名前で呼ばれます。湿った土を好み、夏から秋の終わりまで山野の日陰に咲きます。もうひとつの花言葉は〈永遠にあなたのもの〉。弓なりに垂れた茎に、笹に似た葉をつけ、その葉の根元にひとつひとつ丁寧に並べて置いたように、蕾をつけます。花の形はなかなかユニークです。しなやかに揺れるので茶花や、生け花に好まれます。

◆10日〈チトニア〉幸福
メキシコ~中央アメリカ原産。菊科。インカ帝国のシンボルフラワー。名前の由来は、ギリシャ神話の暁の女神アウローラに愛された青年ティトヌスにちなんだもの。花色は暁のように鮮やか。和名を「メキシコひまわり」と言いますが、どちらかというとダリアに似ています。しかし高さが2m近くにもなるものがあるので、その背丈から「メキシコひまわり」になったのでしょう。

◆11日〈孔雀草〉(くじゃくそう)友情
北アメリカ原産。菊科。ひとつの枝に野菊のような花がたくさん咲きます。それがちょうど、孔雀が羽を広げたように見えます。白孔雀と紅孔雀があります。白孔雀が切り花として人気になり、ユウゼンギクとの交配によって、藤紫、ピンクなど花色が増え、それを総称して〈クジャクアスター〉と呼ぶようになりました。

◆12日〈葉鶏頭 〉(はげいとう)不老不死
インド・熱帯アジア原産。ひゆ科。花ではなく葉を鑑賞します。その葉の先端は、黄色、淡紅色~紅色、緑に美しく色づき、秋の深まりとともにさらに鮮やかさを増します。周囲の環境に合わせて身体の色を変える昆虫のようで、いかにもインド・熱帯アジア地域の植物という感じがします。秋の楚々とした花の中にあって、その姿はひときわ艶やかで立派です。見事な色の葉は、日本秋を鮮やかに飾ってくれます。

◆13日〈秋海棠〉(しゅうかいどう)親切
中国、マレーシア原産。シュウカイドウ科。江戸時代の始めに渡来。春に咲く海棠とはまったく違い、ベゴニアの仲間です。普通に見るベゴニアと違って、耐寒性が強く戸外でも越冬できるため、野性化して大きくなっているものを庭先や路地で見ることがあります。ハート形の可愛らしい花が終わると、葉の付け根にムカゴが出来て、それが地面に落ちて発芽して増えていきます。

◆14日〈紅葉葵〉(もみじあおい)思いやり
北アメリカ原産。葵科。葉が紅葉に似ているのでモミジアオイというちょっと古風な名前で呼ばれます。ハイビスカスの仲間なので、同じように一日にひとつづつ花を咲かせます。花は南国の花、ハイビスカスとほとんど変わらないのに、葉の形と呼び名のせいで、日本的な風情を感じるから不思議ですね。明治の始めに渡来してから日本の秋を飾る花のひとつとなっています。

◆15日〈黒百合〉(くろゆり)恋の魔術
本州以北、北海道地域に分布。ゆり科。高山に咲くミヤマクロユリと北海道の低地に咲くエゾクロユリがあり、エゾクロユリの方がより花色が黒いようです。黒い百合というだけでなんとも神秘的な印象ですが、高山にひっそりと咲くのであまり目にする機会はありません。見ただけで恋の魔術にかかってしまうのでしょうか。

◆16日〈水引 〉(みずひき)心づかい
日本、中国原産。蓼(たで)科。贈り物をの包み紙を結ぶ水引きに似ていることから、この名前がつきました。細長い花穂に点々とついているなんと小さな花。その小さなは花はよく見ると上が赤、下が白に染め分けられて、まさに水引きそのもの。お行儀よく並んで咲いている姿はけなげで可愛らしい。山野の少し暗いところを好みますが、庭の片隅に植えてもあっと言う間に繁殖します。

◆17日〈菊芋〉(きくいも)美徳
北アメリカ原産。菊科。菊のようなこの美しい花は、土の中に芋をつけます。だから菊芋。もう少し可愛らしい名前でも、と思わぬでもないのですが,その芋は食用になり野趣あふれる味がします。開花時期の違いで〈犬菊芋〉(いぬきくいも)と〈菊芋〉(きくいも)とがあるのですが、〈犬菊芋〉には芋はつかないというのが見分け方のようです。 向日葵(ひまわり)のように太陽に向かって咲く性質があります。英語では「太陽に向かって走る」、ギリシャ語では「太陽の花」という意味をもつ名前があるようです。

◆18日〈秋明菊〉(しゅうめいぎく)
中国原産。キンポウゲ科。菊と名前がついていますが、〈金鳳花〉(キンポウゲ)の仲間。京都に自生しているところがあるそうで、その地域の名をとって〈貴船菊〉(きぶねぎく)〈貴船牡丹〉(きぶねぼたん)と呼ばれています。現在の栽培品種はヨーロッパに渡って交配されたもの。英名は「ジャパニーズ・アネモネ」。

◆19日〈蔓花茄子〉(つるはななす)安心
インド原産と言われています。茄子(茄子)科。一般的には山保呂志(やまほろし)の名で親しまれていますが、同じ仲間の違う植物のようです。花姿は茄子の花に似ています。それが蔓状に咲くので〈蔓花茄子〉(つるはななす)。少し濃淡が違う薄紫と白の花が、同じ蔓に咲くので、そのグラデーションが奇麗です。開花時期はながく初夏の頃から秋まで咲きます。

◆20日〈嫁菜〉(よめな)可憐
中部以西の本州から九州に分布。菊科。野菊の中の野菊。万葉集には、摘み草として〈うはぎ〉の名で詠われています。春に芽吹く若芽を味わったからです。関東地方に自生するものを〈かんとうよめな〉。〈のこんぎく〉と呼ばれる野菊も若芽が食用になります。山菜として珍重されています。山野に多く咲き、淡い青紫色の花が秋風に揺れる花は可憐のひとことにつきます。

◆21日〈蓼〉(たで)健康
東南アジア原産。日本全土に分布。蓼(たで)科。〈犬蓼〉(いぬたで)、〈大犬蓼〉(おおいぬたで)は、道ばたや空き地に普通に見られるものです。通称〈あかまんま〉。「蓼食う虫も好き好き」という言葉は、蓼には辛い成分があってそれを好む虫がいることから。花姿が良くないという意味ではありません。むしろ赤い穂のような姿が、風に揺れる風情はとても秋の情緒を感じさせてくれます。他に白い花を咲かせる〈白花犬蓼〉(しろばないぬたで)、〈柳蓼〉(やなぎたで)があります。

◆22日〈見せばや〉(みせばや)上品な美
日本原産。弁慶草(べんけいそう)科。香川県小豆島に野生種があり、日本では古くから栽培されていました。〈見せばや〉という名前は「奇麗だからだれに見せようか。」ということに由来。それほど、古人を魅了した花だと言うことでしょう。「玉の緒」とも呼ばれ、ピンク色の花と白っぽい緑の葉の組み合わせが上品です。岩場を好み丈夫で栽培しやすいため、ロックガーデンや吊り鉢に向きます。同じ仲間に〈岩蓮花〉(いわれんげ)、〈弁慶草〉(べんけいそう)、〈大弁慶草〉(おおべんけいそう)などがあります。

◆23日〈玉簾〉(たますだれ)忠実
ペルー原産。彼岸花(ひがんばな)科。日本にはかなり古くに渡来。〈玉簾〉(たますだれ)は夏の季語になっています。別名を「ゼフィランサス」。地域によっては、夏水仙(なつすいせん)と呼ぶところも。耐寒性が強く、球根でよく増えるので花壇の縁取りや、門から玄関までの道のりによく植えられています。初夏によく似たピンク色の花を見かけます。これは同じ仲間の〈サフランモドキ〉、〈モモイロタマスダレ〉です。

◆24日 〈大弁慶草 〉(おおべんけいそう)活発
日本原産。弁慶草(べんけいそう)科。香川県小豆島に野生種があり、日本では古くから栽培されていました。〈見せばや〉の仲間。〈弁慶草〉(べんけいそう)よりも花色が奇麗。岩場を好み丈夫で栽培しやすいため、ロックガーデンや吊り鉢に。園芸店では改良品種の〈カランコエ〉が鉢植えとして人気です。同じ仲間に〈岩蓮花〉(いわれんげ)、〈弁慶草〉(べんけいそう)など。

◆25日〈珊瑚花〉(さんごばな)幸福
ブラジル原産。狐の孫(きつねのまご)科。花姿から「珊瑚」をイメージしてつけられた名。ピンクの長い花が噴水のように開きます。別名「ジャコビニア」。「珊瑚」がつく花は、他に〈壷珊瑚〉(つぼさんご)、〈珊瑚樹〉(さんごじゅ)、〈珊瑚刺桐〉 (さんごしとう)がありますが、どれもその花姿から珊瑚をイメージしてつけらえれたので、同じ仲間ではありません。

◆26日〈花縮砂〉(はなしゃくしゃ)淡い恋心
インド原産。しょうが科。別名ジンジャーリリー。姿や根茎がしょうが、花がユリに似ています。短くただジンジャーとも呼ばれます。(はなしゃくしゃ)は2mにも成長するものもあり、花びらが蝶が舞うように見えるので、バタフライリリーの別名も。食用にはなりません。

◆27日〈トレニア〉愛嬌
ベトナム~インドネシアに分布。ゴマノハグサ科。別名に〈ナツスミレ〉〈ハナウリクサ〉という可愛らしい名前もあります。また和名は〈花爪草〉。トレニアはプランターで栽培される園芸種で、春蒔き、秋咲きの1年草で初夏から秋まで咲きまが、こぼれ種で翌年も咲きます。

◆28日〈秋桜〉(コスモス)乙女の真心
メキシコ原産。菊科。コスモスはギリシャ語で「宇宙」。和名は〈秋桜〉。アメリカ大陸からスペイン、そこからイギリスに渡り、日本には明治時代に渡来。メキシコ高地に咲くコスモスは、丈が2m以上にもなり、日光を好むと言いますからその雰囲気もだいぶ違うのでしょう。品種改良が進み、色も大きさもさまざまに豊富になっています。街道沿いや休耕田に栽培され、秋にはなくてはならない花です。

◆29日〈りんどう〉正義
本州、四国、九州に分布。りんどう科。根には苦みがあります。熊の胆より苦いので竜胆(りゅうたん)、それが変化して〈りんどう〉となりました。竜胆は胃腸の働きを活発にして腹痛を和らげます。園芸店で見るのは、〈ふでりんどう〉〈えぞりんどう〉の栽培種。岩手県の安代町で作られる〈安代の女〉は、オランダに輸出されていて愛好家に珍重されています。

◆30日〈沢桔梗〉(さわぎきょう)高貴
日本各地に分布。桔梗科。山地の湿地や水辺に見られるので(さわぎきょう)。園芸店でみる赤い色の〈あかばなさわぎきょう〉は、北アメリカ減産のロベリア・カージナリス。熱帯魚の水草として輸入されているもの。野生種はだんだんと減少していますが、ビオトープなどで見ることができます。
by heartlogyflowers | 2010-04-05 00:18 | 09月/誕生花
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