◆1日
〈柊木犀〉(ひいらぎもくせい)想い出の輝き
中国原産。もくせい科。〈柊〉(ひいらぎ)と〈銀木犀〉(ぎんもくせい)との雑種で、葉のギザギザが少し違うところで区別します。 甘い香りがするので街路樹として好まれます。もくせい科の花が持つ芳香は、秋の花々の中でも独特で人を惹き付けるだけの魅力があります。秋の想い出の中にこの香りを描く人は多いのではないでしょうか。
◆2日
〈石蕗〉(つわぶき)謙虚
日本各地に分布。菊科。葉が〈蕗〉(ふき)に似ています。その葉に艶があるので、「つやぶき」。それが「つわぶき」になりました。 花色はすっきりした濃い黄色で奇麗です。「キャラブキ」はつわぶきの佃煮のこと。茎を蕗と同じように佃煮にしたものです。微かな苦みがあって美味です。
◆3日
〈錦木〉(にしきぎ)静かな想い
日本原産。ニシキギ科。秋の季語。山野に自生する高さ1~2mの落葉低木。鮮やかな赤に紅葉する姿は、カエデにも劣らない美しさ。 春に小さな花が咲き、秋にオレンジ色に熟する果実も美しく、庭木や生垣にすると華やか。枝や幹にコルク質の翼があるところから、別名をカミソリノキ、ホウチョウギ。 この〈錦木〉に限らず紅葉が美しい木に咲く花は、一様にひっそりと地味で、賑やかな春の花の中では見落されがちなのですが、秋に本領発揮。かわいらしい実と共に楽しませてくれます。
◆4日
〈十月桜〉(じゅうがつざくら)精神美
ヒマラヤ、中国、日本原産。ばら科。開花時期は、10月から翌年の1月くらいまで。春にもう一度咲くので二度楽しめます。よく狂い咲きの桜と勘違いされます。少し遅れて咲く〈冬桜〉は〈十月桜〉が八重なのに対して一重。春の桜の華やかさには及びませんが、この時期に咲く桜には静かな美しさを感じます。花言葉の由来もそこにあるのでしょう。
◆5日
〈浜菊〉(はまぎく)幸福
日本原産。菊科。太平洋側の暖かい海岸沿いに自生します。白いマーガレットによく似た花をつけます。葉の形が独特です。花の少ない季節の寂しい海辺に群生して咲く姿には目を見張るものがあります。 海辺に咲く花は、なかなか街中では見る事ができないのであまり馴染みがないのですが、秋の静かな海を散歩する機会があったらぜひ探してみてください。秋の浜辺が小さな花に飾られていることに気がつくことでしょう。
◆6日
〈茴香〉(ういきょう/フェンネル)賞賛に値する
ヨーロッパ原産。せり科。葉は独特な甘い香りと味で「魚のハーブ」ともいわれ魚料理にあう定番ハーブ。ヨーロッパでは茎のやわらかい部分をスープや煮込み料理に、種はスパイスやハーブティーにします。生葉は刻んでサラダに、花はドライフラワーに。冬に地上部が枯れ、春に新芽が出てきます。株分けもできるので庭やプランターに植えておくと便利です。フェンネルにあるアネトールが肉の脂肪分を分解し、消化を助けます。また食欲増進、消化促進、利尿作用、眼精疲労にも効能があるようです。
◆7日
(南蛮煙管)(なんばんぎせる)物思い
インドから日本にかけて広い地域に分布。ハマウツボ科。ススキの根に寄生する植物。寄生植物は葉緑素を持たないので自分で養分を作ることができません。名前の由来は、紅紫色の花姿がキセルに似ているところから。園芸用として売られているものはイトススキと一緒に植えられています。自分ひとりでは生きていけない花というのは、可憐ではかなげな感じでいいですね。花言葉にも深い趣きを感じます。
◆8日
〈磯菊〉(いそぎく)感謝
関東地方南部から静岡県御前崎までに分布。きく科。海岸の崖や斜面などに自生しています。波打ち際の砂地や岩盤の僅かな隙間などに、這うようにして小さな黄色い花を咲かせます。葉は銀白色。秋から12月頃まで咲き続け、冬の海岸を彩ります。
◆9日
〈釣船草〉(つりふねそう)期待
日本各地に分布。つりふね草科。名前の由来は、細い柄に小さな船が吊り下がっているように咲くことから。秋風に揺れる様子には、心が和みます。なんとも風情のある名前です。花には密がたくさんあり蜂が集まります。鳳仙花(ほうせんか)も同じ仲間で、実に触れると種子が飛び散ります。よく似た花に、〈黄釣船草〉(きつりふねそう)があります。
◆10日
〈姫林檎〉(ひめりんご)名声
東アジア原産。バラ科。可愛らしい淡紅色の花は、5月~6月に咲きます。ヒメカイドウによく似ています。秋に濃紅色の果実をつけ、大きさは直径2から6cmくらい。エゾリンゴとイヌリンゴの交配品種で、花と実を鑑賞するために改良が重ねられてきました。春と秋に園芸店で一目を惹く一鉢。もうひとつの花言葉に〈誘惑〉があります。これは、禁断の林檎を食べてしまったアダムとイブの話に由来。それくらい赤い実は可愛らしく思わず手にとりたくなります。
◆11日
〈ネリネ〉幸せな思い出
南アフリカ原産。ヒガンバナ科。
リコリスによく似ています。色は明るいピンクが代表的ですが、他に赤、白、サーモンピンクもあります。日光に当たるとひときわ輝くため、別名をダイアモンド・リリー。名前は、ギリシャ神話の中の美しい水の妖精、ネリネに由来します。
◆12日
〈通草〉(あけび)大きく開く才能
日本、中国原産。アケビ科。紫紅色の花が春に咲きます。趣きがある花です。秋に紫のかかった長楕円形の果実をつけます。熟すと縦に裂けて、その中にあるゼリー状の果肉は甘く、山野を歩いて見つけたときの喜びは格別。つる性の落葉低木で、山野の中では地味なのですが、熟した実が大きく開くところからでアケビ(開け実)=大きく開く才能、という花言葉が生まれたようです。
◆13日
〈ペチュニア〉変化に富む
南アメリカ原産。茄子(なす)科。春から秋頃まで咲き続けて、 雨や暑さにも強いため、 ガーデニングの代表的な花のひとつ。 ひとまわり花が小さい 「サフィニア」はペチュニアの新品種。これは1989年にサントリーが開発したもの。別名を「衝羽根朝顔」(つくばねあさがお)といいます。春から咲き始めて、真夏にちょっと一休み。(一度刈り込みをします)するとこの時期にまた鮮やかに咲き揃います。7月8日と同じ誕生花。
◆14日
〈ピラカンサ〉燃ゆる想い
ヨーロッパ東南部からアジアに掛けて分布。バラ科。初夏に可愛らしい白い花をぎっしりとつけます。それが秋になると真っ赤な実をつけます。ギリシャ語で「火のような実と刺のある木」をピラカンサ。まさに赤い実は火のよう。タチバナモドキ、トキワサンザシ、ヒマラヤトキワサンザシの3種類をピラカンサと呼ぶようです。黄色い実もあり、これもまた綺麗。庭木に両方植えると幸福が来ると言う地域もあるとか。耐寒性、耐暑性もあり、刺があるため生垣にも使われます。英名をファイヤーソーン。
◆15日
〈瑠璃茉莉 〉(るりまつり)小さな愛
南アフリカ原産。磯松(いそまつ)科。 夏から秋にかけて長い間咲き続ける。さわやかな水色(瑠璃色)の5弁花。つる状に垣根は門扉に絡まる花姿は涼しげ、可憐で純粋な印象。もうひとつの花言葉「いつも明るい」。
◆16日
〈白薔薇〉(バラ)秘密・秘密を守る
アジア・ヨーロッパ原産。バラ科。薔薇は春と秋、二度咲きます。春の薔薇は華やかでゴージャスですが、秋の薔薇は季節の風景の中に、密やかに佇んでいる感じで風情があります。白薔薇には、特に気品が感じられます。秘密のシンボル。
◆17日
〈唐辛子〉(とうがらし)生命力
中央~南アメリカ原産。ナス科。コロンブスによりヨーロッパに渡り、その後世界中に広がった香辛野菜。鮮やかな赤色のトウガラシ。香辛料、青果の他に鑑賞用としての園芸品種も多くなりました。冬の部屋を飾るリースの材料としても人気です。情熱的な赤色と対照的に、その花は白い星形で可憐。日本には、豊臣秀吉の朝鮮出兵の時に持ち帰られたと言われきましたが、日本の対馬から朝鮮半島に渡ったというのが事実のようです。
◆18日
〈綿〉(わた)繊細
インド、熱帯アジア原産。アオイ科。繊維として使われる綿には、アジア綿と新世界面とがあります。基部が木質化するため一見、木のようですが実は多年草に属します。夏にフヨウに似た黄色い花を咲かせます。花が散るとそこから丸い実ができて、果皮が秋になって熟して割れると真っ白い綿がでてきます。その姿が不思議で面白いのでドライフラワーとしても人気です。
◆19日
枸枯〉(くこ)〈長寿
東アジア原産。ナス科。夏に紫色の可憐で小さな花を咲かせます。花が終り、秋になると可愛い真っ赤な枸枯ができます。落葉低木で薬用植物として有名。湿った土手や草地を好みますので、庭木としてはあまり見かけませんが、可憐な花と赤い実は鑑賞しても楽しく、漢方薬としてのイメージだけではかわいそうなくらいです。
◆20日
〈茶〉(ちゃ)誠実な心
中国原産。ツバキ科。中国四川省、雲南省が原産地。日本には1100年代に僧侶が持ち帰ったと伝えられています。日本独独自の茶道が生まれたことからもわかるように、日本人には欠かせないものです。白い花びらと金色の雄しべ。控えめでゆったりとした花姿は、歌人の心を捉えて、たくさん歌に詠まれてきました。この花の咲く頃に、季節は冬へ向かって寒さを感じるようになります。
◆21日
〈山茶花〉(さざんか)愛嬌
日本原産。ツバキ科。日本自生の常緑小高木。江戸時代にさかんに園芸品種が作られました。自生種は白の一重。園芸品種は300種類以上あると言われ、色も白以外に桃色、赤色、ぼかしなど。花は八重、半分八重。ツバキとの違いは、花がばらばらに散ること。「さざんかさざんか咲いた道」の童謡に歌われるのは、木枯らしの吹く寒い冬の小道でのたき火の風景。寒い冬に向かって咲き出すさざんかは、1月くらいまで美しい花を咲かせます。
◆22日
〈パンジー〉私を想って
北ヨーロッパ原産。スミレ科。秋から年を越えて夏まで咲き続けます。早春から初夏のイメージが強いのですが、咲き始めるのがこの時期。古くからイギリスを中心に改良が進められました。小輪のビオラもその仲間です。昔は白、黄色、紫が多かったので、日本ではサンシキスミレとよばれたパンジー。今は多彩な色で目を楽しませてくれます。もうひとつの花言葉は〈物思い〉。フランス語の思索(パンセ)に由来します。
◆23日
〈秋麒麟草〉(あきのきりんそう) 安心
北アメリカ原産。菊科。別名〈泡立草〉(アワダチソウ)花が酒を醸造するときの泡立ちに見立て、この名前がつけられました。低地や山地の日当たりのよい草地などを好み、茎の高さは30~100センチくらい。背の高いものを〈背高泡立草〉(せいたかあわだちそう)と言います。 花粉症の原因とも言われたりして雑草扱いされますが、よく見ると黄色の頭花をたくさんつけて綺麗な花です。(あきのきりんそう)という愛らしい響きの名前で覚えてください。
◆24日
〈サフラン〉歓喜
地中海東部原産。アヤメ科。
クロッカスの仲間。雄しべは乾燥させてスパイスとして使われます。花は淡紫色で雄しべは紅色。この紅色の部分が(黄色のサフランライスに用いられる)スパイスになります。サフランの語源は(アラビア語で黄色を意味する)ザファランに由来。
◆25日
〈梅擬〉(うめもどき)明朗
本州、四国、九州に分布。
モチノキ科。初夏の頃に、白や紫紅色の小さな花を咲かせ、秋に枝いっぱいの紅色の実をつけます。梅に似ているので〈梅擬〉。冬の霜が降りるころまで実が楽しめるので〈落霜紅〉とも書きます。果色が黄色い〈キミノウメモドキ〉、白い〈シロウメモドキ〉もあり、鑑賞用として好まれています。園芸品種の小さいコショウバイも仲間です。
◆26日
〈実葛〉(さねかずら)再会
日本原産。マツブザ科。つる性の常緑植物。晩夏のころに黄白色の花を咲かせます。古事記にも登場する植物。昔、汁液は整髪料、鬢(びん)付け油の原料として使われました。実葛はとは実(さね)が美しい葛(かずら)という意味。山野にあるつる性低木ですが、花も実も光沢のある葉も美しいので庭木、生垣にも好まれます。
◆27日
〈コルチカム〉幸福
ヨーロッパ原産。ユリ科。土に植えずに置いておくだけで花を咲かせる不思議な球根植物。色は淡紫紅色、藤紫色、白色など。園芸品種が多くあります。英名はオータムクロッカス。和名をイヌサフランと言いますが、姿が似ているためで、クロッカスとサフランは別の種類に属します。球茎に劇薬成分を含みます。
◆28日
〈蕎麦〉(そば)共に分かち合う
中央アジアから中国東北部原産。タデ科。奈良時代には救荒食物として栽培。種を蒔いてから80日ほどで収穫できるためです。食用の蕎麦になったのは(屋台の蕎麦屋が登場した)江戸時代。畑一面に咲く白い花は信州の代表的な風景のひとつ。この花の後の果実が黒褐色に熟し、これを挽いて蕎麦粉にします。
◆29日
〈烏瓜〉(からすうり)良い便り
中国、台湾、日本原産。ウリ科。つる性の多年草を多く見かけますが一年草もあります。朱赤色の実があまりにも印象的なので目立たないのですが、白いレースのような可憐な花が夏の夜に咲きます。
朱赤色に熟す実は、花材として秋を演出します。実の中にある種子を「玉章(たまずき)」とよび、漢方では鎮痛、鎮咳薬としても使われます。果実が黄色いものもあります。
◆30日
〈ゼラニューム〉愛情・幸福
南アフリカ原産の四季咲きの花。愛情に満ちた幸せな家庭のシンボルとして、「右手にパンを、左手にゼラニュームを!」と言われるくらい、ヨーロッパの窓辺には欠かせない花。風露草(ふうろそう)科。別名「天竺葵」(てんじくあおい)。江戸時代にオランダから渡来。同じ仲間に〈ローズゼラニューム〉、〈もみじ葉ゼラニューム〉。 6月29日の誕生花も〈ゼラニューム〉。暖かい地方では1年中咲きますが、夏と秋に元気があり花色が特に見事です。
◆31日
〈銀杏〉(いちょう)長寿
中国原産。イチョウ科。落葉の高木。神社や寺の境内、街路樹としてもさまざまな場所で見ることができます。大阪の御堂筋、東京は外苑などが有名。真っ赤な楓とならんで秋を飾る代表的な木です。
花の開花は春、4~5月頃。種子は秋に熟してギンナンとなります。葉を煎じて飲むと不老長寿に効くとされ、また近年では脳の細胞を活性化する成分が含まれていると注目されています。