8月の花散歩
◆1日〈ハイビスカス〉 新しい恋
中国原産。ハワイの気候にあって品種改良を重ね,ハワイアン・ハイビスカスになりました。今ではすっかりハワイを代表する花。ハワイでは垣根の樹として多く見かけます。日本には琉球から江戸幕府に献上されたそうですが、当時は温室もなく栽培が難しかった貴重な花でした。朝咲いて一日でしぼむ花。それが「新しい恋」という情熱的な花言葉の由来です。
◆2日〈向日葵〉(ひまわり)光輝
北アメリカ原産。頭花が太陽に向くことから漢名〈向日葵〉。英名はその名の通り「サンフラワー」。 和名には「日輪草」(にちりんそう)、「日車」(ひぐるま)などがあり、どれも太陽に因んだものばかりです。種子、種子から採れる油は食用になります。家畜の餌(リスなど)になって売られている種を植えると、小さなひまわりが咲くので、群生させるとかわいらしいひまわり畑が楽しめます。
◆3日〈布袋葵〉(ほていあおい)揺れる想い
明治時代に観賞用として渡来。1日咲いて,水中に沈んでしまう一日花。清楚な和風のイメージがする花ですが、アマゾンなど熱帯アメリカ原産。葉の柄の部分の膨らみが、布袋さんのお腹のように見えるので〈布袋葵〉。熱い夏に水面に薄紫の花を咲かせて、涼しさを誘います。
◆4日〈百日紅〉(さるすべり)世話好き/活動的
中国南部原産。中国では宮廷に植えられ愛でられたようです。日本には江戸時代より前に渡来。木肌がつるつとしていて、猿でも滑るから〈猿滑り〉(さるすべり)。〈百日紅〉は花が100日もの間咲き続けるから。美しい花色は、濃いピンクから薄いピンクまであり、熱い太陽の陽射しを受けて元気に咲きます。他に白や黄色もあり、街路樹として多く見られます。
◆5日〈花煙草〉(ニコティアナ)秘密の恋
ブラジル原産。その名の通り,タバコ(煙草)の仲間。最近、園芸種が出回るようになって身近な花になりました。販売公社が民営化になったことから栽培が許可されたといういきさつがあります。花色は、紅、ピンク、白、クリーム色など。白い花には芳香が強く、別名〈ジャスミンタバコ〉。
◆6日 〈千日紅 〉(せんにちこう)変わらぬ愛情
熱帯アメリカ原産。開花時期が長いことから〈千日紅 〉(せんにちこう)と呼ばれます。秋の草原にも美しく咲くので秋の花としてのイメージもあります。お盆に用いられる花でもあるので、この時期切り花としても出回ります。乾燥しても色が奇麗に残るのでドライフラワーにも用いられます。和洋どちらにもアレンジができるので、寄せ植えや花束でも活躍します。
◆7日 〈百日草〉(ジニア)いつまでも変わらない心
メキシコ高原地帯原産。長い期間咲くの〈百日草〉。ブラジルでは幸福を象徴する花として、カーニバルの花として愛されています。ところ変わればで、日本では供花としてのイメージがあります。長持ちすることから仏花として好まれるのでしょう。最近では園芸品種も多く、たくさん出回るようになりました。花の形や色も豊富にあり、開花時期も長いため、夏の花壇を色鮮やかに飾ります。
◆8日〈クレオメ〉幸福
熱帯アメリカ原産。姿がしなやかで可憐な蝶を思わせるのか、和名は「西洋風蝶草」 (せいようふうちょうそう)、「酔蝶花」(すいちょうか)。夕方から花を開き、香りがあります。 夏の花には夕方から咲き始め,夜の闇の中に芳香を放つものが多くありますが、クレオメは舞うように咲く花姿から、夏の花壇に用いられます。公園などで見かけることも多いでしょう。
◆9日 〈マリーゴールド〉変わらぬ愛
メキシコ原産。スペインに渡りアフリカで広がったものを「アフリカン・マリーゴールド」。フランスから広がったものを「フレンチ・マリーゴールド」と言います。太陽に向かって黄金に輝く花=「マリア様の黄金の花」という意味。多くの園芸品種があり、開花期も長いことから公園の花壇や街路でも多く見かることができます。
◆10日〈鷺草〉(さぎそう)夢の中であなたを想う
日本原産。本州、四国、九州の日当たりの良い湿地に咲く蘭科の花。自然が作り出すまさに不思議な花姿、白鷺を思わせる可憐な花は、愛好家を惹き付けて離しません。 貴重な花なので、山野草を扱う園芸店で見つけることができます。山野で群生する姿を見てみたいものです。
◆11日〈ブーゲンビレア〉情熱
南米原産。色鮮やかで花に見える部分は、苞の部分でその中に小さく咲くのが本当の花。苞を触ると紙のような感触である事から英名を「ペーバーフラワー」 。 つる性の低木。鉢植えが普通ですが暖かい海岸地方、沖縄などでは地植えでも育ちます。花姿がよく見ると白粉花に似ていて、オシロイバナ科に属しています。
◆12日〈ジキタリス 〉熱愛
ヨーロッパ、西アジア原産。花の形が指にはめる袋のようなので、ラテン語のジギトス(指)からジキタリス。英名は「フォックス・グローブ」。和名は「狐の手袋」。葉に薬効成分があり、古くから乾燥させて強心剤に用いられてきました。そのため「心臓草」とも呼ばれます。
◆13日〈アンスリウム〉 深い印象
南米原産。鮮やかな紅色の部分は花でなく苞。その真ん中から突き出している部分が花です。その形から英名は「テール・フラワー」。和名を「紅団扇」(べにうちわ)。ハワイからの輸入が多かったのですが、最近では品種改良が進み,国内産の鉢植えが多く出回るようになりました。花色は、紅の他に白、ピンク、淡い緑、紫などもあります。
◆14日〈朝顔〉淡い恋
ネパール原産。日本には江戸時代に観賞用として広まりました。そもそもは奈良時代に中国から薬用として渡来したようです。繁ったつる状の葉の間から姿を見せる花が涼を呼び、日本の夏には欠かせない花。朝露の中で一瞬のうちに咲く花は、英名で「ジャパニーズ・モーニング・グローリー」。花姿も色も多彩で、楚々としたものから豪華なものまで、たくさんの品種が作られています。
◆15日〈禊萩〉(みそはぎ)慈悲/固い意志
日本原産。山野の湿地を好みます。お盆のころに咲くので、別名を「精霊花」。昔からお盆には欠かせない花です。仏さまに供える禊ぎを意味する気品を感じさせる花。園芸品種も増えて、最近では鉢植えも出回り、お盆の切り花としてだけでなく、すっきりした花姿がアレンジメントにも好まれています。
◆16日〈 リアトリス 〉燃える想い
北アメリカ原産。花を槍状につけるものと丸くかたまって咲く玉咲きがあります。そちらも上から下に向かって花を咲かせます。花色は紫の他に白があります。背が高くすっきりとした花姿で、和洋折衷の味わいがあるため近年は花束にしても好まれます。
◆17日〈モントブレチア〉美しい想い出
南アフリカ原産。あやめ科。ヒメオウギスイセンとヒメショウブの交雑により作られました。花を乾燥させてお湯につけるとサフランに似た香りがします。花は濃いオレンジ色ですが、どこか和風の趣きがあります。昔はどこにでも自生したものが見られましたが、最近では切り花としても人気です。
◆18日〈風船葛〉(ふうせんかずら)自由な心
北アメリカ南部原産。小さな花の先にぶらさがった風船(果実)の形がなんともユーモラスです。風船の中には黒いハート型の種子が入っています。英名は「バルーン・パイン」 つる状で支柱に絡み付くので、生け垣にして自然が作るこの不思議な形を楽しむのもよいでしょう。鉢植えも多く出回っています。
◆19日 〈合歓の木〉(ねむのき)歓喜
イラン・インド・東南アジアに分布。豆(まめ)科。薄紅色の花を夏の夕方に咲かせ、夜になると葉を閉じてしまうので、眠りの木。だから(ねむのき)。 (ねんねの木)(日暮らしの木)と呼ぶところも。 花が絹糸のように繊細なので、英名はシルク・ツリー。日当たりのよい場所を好みます。 よく似ているオジギソウの葉は、触れるとすぐに閉じてしまいますが、合歓の木(なむのき)は夕方花が咲き出す頃になると、まるで眠るように自分で葉を閉じはじめます。
◆20日 〈月下美人〉(げっかびじん)ただ一度の恋
メキシコ、ブラジルなどに自生するサボテンの一種。月の光の下で真っ白な花を咲かせます。ただならぬ芳香りを放ち、夜明け前に萎んでしまう。まさにただ一夜だけ咲くという神秘的な花。クジャクサボテンは、この月下美人と他のサボテンを交配させが園芸品種のこと。
◆21日〈夾竹桃〉(きょうちくとう)強い力
インド原産。中国を経て日本に渡来。花は桃のように美しく、葉は竹のように細いところに名前の由来があります。公害などにも強いため、街路樹によく使われています。花は一重と八重。色は赤、ピンク、白の他にクリーム色、オレンジもあります。夏の陽射しの中で元気に咲く、夏を代表する花のひとつです。
◆22日〈鋸草〉(のこぎりそう)勇敢
花が分布がする地域は広く北半球。園芸店に出回っているのは、ヨーロッパ原産のものですが、日本にも自生種があります。葉が鋸のようにギザギザなので、和名〈鋸草〉(のこぎりそう)と言います。ギリシャ神話のアキレスにちなんで、別名「アキレア」。傷の治療に用いる薬効成分があります。群生して咲くと見事です。
◆23日〈グロリオーサ〉栄光
アフリカ、熱帯アジア原産。名前の由来はラテン語の「栄光」から。英名は「グローリー・リリー」和名は「狐百合」。華やかな印象で,切り花として人気。豪華なアレンジメントや花束として好まれます。
◆24日 〈デュランタ 〉静かな恋
熱帯アメリカ原産。クマツヅラ科。和名は 「タイワンレンギョウ」。房状に垂れさがって、濃い紫色や白の小花を咲かせます。印象は和風の花です。花のきれいな品種と、葉の美しい品種があります。成長が早く、園芸店で求めた鉢植えを地面に植えると美しい低木になります。
◆25日〈グロキシニア〉華やかな日々
ブラジル原産。イワタバコ科。和名を「オオイワギリソウ」。ビロードのような感触のラッパ型の花を咲かせます。花色もたくさんあり、豪華な印象。熱い夏を彩ります。主に鉢植えで楽しみ、夏の鉢植えの定番とも言える花です。
◆26日〈浜梨〉(はまなし)魅力的な人
日本原産。北海道などの北国の浜辺に咲きます。実が梨のような香りなので〈浜梨〉(はまなし)。今では(はまなす)と呼ぶほうが一般的。花姿も香りも薔薇の花に似ています。花は香料やお茶にも用いられます。濃いピンクの花の他に白花もあります。砂地に自生するため、あまり人目には触れませんが、北国の夏の浜辺をその芳香とともに彩ります。
◆27日〈鶏頭〉(けいとう)色あせぬ恋
インド・熱帯アジア原産。ひゆ科。にわとりのトサカにそっくりなので鶏頭と名づけられました。燃えるような濃い花色が情熱的。
◆28日〈花魁草〉(おいらんそう)温和
日本原産。和名は〈草夾竹桃〉花魁(おいらん)の艶姿に見立てて花魁草。一般にはこの名が広く親しまれているようです。和の華やかさを持っています。
◆29日〈芙蓉〉(ふよう)繊細な美
中国原産。葵科。ハイビスカスの仲間なので花姿がとてもよく似ています。しかし、芙蓉の花は色が淡く東洋的な風情。芙蓉の花はしとやかな美人に例えられ、歌にもたくさん読まれています。「霞雨の空を芙蓉の天気かな」芭蕉の歌は芙蓉の繊細な美しさを表しています。なかでも〈酔芙蓉〉の花は朝白く,夕方にだんだん赤くなることから、中国では酒に酔って頬を赤らめる楊貴妃の美しさに例えているくらい。枯れてからの姿も美しいとされ「枯れ芙蓉」として鑑賞します。まさに〈美〉を象徴する花。
◆30日檜扇菖蒲〉(ひおうぎあやめ)〈誠実
中国原産。あやめ科。平安時代の公家が用いた“ヒノキの扇”に由来。別名〈烏扇〉(からすおうぎ)は、実がまっ黒であることに由来します。古名「ぬばたま」もその実の色に由来。黒をイメージする「夜、髪」などの枕詞(まくらことば)で、万葉集には詠まれています。
◆31日〈カンナ〉永遠
北アメリカ原産。コロンブスのアメリカ発見により、16世紀にヨーロッパに伝わりました。夏の花壇を彩る花ですが、根を食用にする種類もあります。
中国原産。ハワイの気候にあって品種改良を重ね,ハワイアン・ハイビスカスになりました。今ではすっかりハワイを代表する花。ハワイでは垣根の樹として多く見かけます。日本には琉球から江戸幕府に献上されたそうですが、当時は温室もなく栽培が難しかった貴重な花でした。朝咲いて一日でしぼむ花。それが「新しい恋」という情熱的な花言葉の由来です。
◆2日〈向日葵〉(ひまわり)光輝
北アメリカ原産。頭花が太陽に向くことから漢名〈向日葵〉。英名はその名の通り「サンフラワー」。 和名には「日輪草」(にちりんそう)、「日車」(ひぐるま)などがあり、どれも太陽に因んだものばかりです。種子、種子から採れる油は食用になります。家畜の餌(リスなど)になって売られている種を植えると、小さなひまわりが咲くので、群生させるとかわいらしいひまわり畑が楽しめます。
◆3日〈布袋葵〉(ほていあおい)揺れる想い
明治時代に観賞用として渡来。1日咲いて,水中に沈んでしまう一日花。清楚な和風のイメージがする花ですが、アマゾンなど熱帯アメリカ原産。葉の柄の部分の膨らみが、布袋さんのお腹のように見えるので〈布袋葵〉。熱い夏に水面に薄紫の花を咲かせて、涼しさを誘います。
◆4日〈百日紅〉(さるすべり)世話好き/活動的
中国南部原産。中国では宮廷に植えられ愛でられたようです。日本には江戸時代より前に渡来。木肌がつるつとしていて、猿でも滑るから〈猿滑り〉(さるすべり)。〈百日紅〉は花が100日もの間咲き続けるから。美しい花色は、濃いピンクから薄いピンクまであり、熱い太陽の陽射しを受けて元気に咲きます。他に白や黄色もあり、街路樹として多く見られます。
◆5日〈花煙草〉(ニコティアナ)秘密の恋
ブラジル原産。その名の通り,タバコ(煙草)の仲間。最近、園芸種が出回るようになって身近な花になりました。販売公社が民営化になったことから栽培が許可されたといういきさつがあります。花色は、紅、ピンク、白、クリーム色など。白い花には芳香が強く、別名〈ジャスミンタバコ〉。
◆6日 〈千日紅 〉(せんにちこう)変わらぬ愛情
熱帯アメリカ原産。開花時期が長いことから〈千日紅 〉(せんにちこう)と呼ばれます。秋の草原にも美しく咲くので秋の花としてのイメージもあります。お盆に用いられる花でもあるので、この時期切り花としても出回ります。乾燥しても色が奇麗に残るのでドライフラワーにも用いられます。和洋どちらにもアレンジができるので、寄せ植えや花束でも活躍します。
◆7日 〈百日草〉(ジニア)いつまでも変わらない心
メキシコ高原地帯原産。長い期間咲くの〈百日草〉。ブラジルでは幸福を象徴する花として、カーニバルの花として愛されています。ところ変わればで、日本では供花としてのイメージがあります。長持ちすることから仏花として好まれるのでしょう。最近では園芸品種も多く、たくさん出回るようになりました。花の形や色も豊富にあり、開花時期も長いため、夏の花壇を色鮮やかに飾ります。
◆8日〈クレオメ〉幸福
熱帯アメリカ原産。姿がしなやかで可憐な蝶を思わせるのか、和名は「西洋風蝶草」 (せいようふうちょうそう)、「酔蝶花」(すいちょうか)。夕方から花を開き、香りがあります。 夏の花には夕方から咲き始め,夜の闇の中に芳香を放つものが多くありますが、クレオメは舞うように咲く花姿から、夏の花壇に用いられます。公園などで見かけることも多いでしょう。
◆9日 〈マリーゴールド〉変わらぬ愛
メキシコ原産。スペインに渡りアフリカで広がったものを「アフリカン・マリーゴールド」。フランスから広がったものを「フレンチ・マリーゴールド」と言います。太陽に向かって黄金に輝く花=「マリア様の黄金の花」という意味。多くの園芸品種があり、開花期も長いことから公園の花壇や街路でも多く見かることができます。
◆10日〈鷺草〉(さぎそう)夢の中であなたを想う
日本原産。本州、四国、九州の日当たりの良い湿地に咲く蘭科の花。自然が作り出すまさに不思議な花姿、白鷺を思わせる可憐な花は、愛好家を惹き付けて離しません。 貴重な花なので、山野草を扱う園芸店で見つけることができます。山野で群生する姿を見てみたいものです。
◆11日〈ブーゲンビレア〉情熱
南米原産。色鮮やかで花に見える部分は、苞の部分でその中に小さく咲くのが本当の花。苞を触ると紙のような感触である事から英名を「ペーバーフラワー」 。 つる性の低木。鉢植えが普通ですが暖かい海岸地方、沖縄などでは地植えでも育ちます。花姿がよく見ると白粉花に似ていて、オシロイバナ科に属しています。
◆12日〈ジキタリス 〉熱愛
ヨーロッパ、西アジア原産。花の形が指にはめる袋のようなので、ラテン語のジギトス(指)からジキタリス。英名は「フォックス・グローブ」。和名は「狐の手袋」。葉に薬効成分があり、古くから乾燥させて強心剤に用いられてきました。そのため「心臓草」とも呼ばれます。
◆13日〈アンスリウム〉 深い印象
南米原産。鮮やかな紅色の部分は花でなく苞。その真ん中から突き出している部分が花です。その形から英名は「テール・フラワー」。和名を「紅団扇」(べにうちわ)。ハワイからの輸入が多かったのですが、最近では品種改良が進み,国内産の鉢植えが多く出回るようになりました。花色は、紅の他に白、ピンク、淡い緑、紫などもあります。
◆14日〈朝顔〉淡い恋
ネパール原産。日本には江戸時代に観賞用として広まりました。そもそもは奈良時代に中国から薬用として渡来したようです。繁ったつる状の葉の間から姿を見せる花が涼を呼び、日本の夏には欠かせない花。朝露の中で一瞬のうちに咲く花は、英名で「ジャパニーズ・モーニング・グローリー」。花姿も色も多彩で、楚々としたものから豪華なものまで、たくさんの品種が作られています。
◆15日〈禊萩〉(みそはぎ)慈悲/固い意志
日本原産。山野の湿地を好みます。お盆のころに咲くので、別名を「精霊花」。昔からお盆には欠かせない花です。仏さまに供える禊ぎを意味する気品を感じさせる花。園芸品種も増えて、最近では鉢植えも出回り、お盆の切り花としてだけでなく、すっきりした花姿がアレンジメントにも好まれています。
◆16日〈 リアトリス 〉燃える想い
北アメリカ原産。花を槍状につけるものと丸くかたまって咲く玉咲きがあります。そちらも上から下に向かって花を咲かせます。花色は紫の他に白があります。背が高くすっきりとした花姿で、和洋折衷の味わいがあるため近年は花束にしても好まれます。
◆17日〈モントブレチア〉美しい想い出
南アフリカ原産。あやめ科。ヒメオウギスイセンとヒメショウブの交雑により作られました。花を乾燥させてお湯につけるとサフランに似た香りがします。花は濃いオレンジ色ですが、どこか和風の趣きがあります。昔はどこにでも自生したものが見られましたが、最近では切り花としても人気です。
◆18日〈風船葛〉(ふうせんかずら)自由な心
北アメリカ南部原産。小さな花の先にぶらさがった風船(果実)の形がなんともユーモラスです。風船の中には黒いハート型の種子が入っています。英名は「バルーン・パイン」 つる状で支柱に絡み付くので、生け垣にして自然が作るこの不思議な形を楽しむのもよいでしょう。鉢植えも多く出回っています。
◆19日 〈合歓の木〉(ねむのき)歓喜
イラン・インド・東南アジアに分布。豆(まめ)科。薄紅色の花を夏の夕方に咲かせ、夜になると葉を閉じてしまうので、眠りの木。だから(ねむのき)。 (ねんねの木)(日暮らしの木)と呼ぶところも。 花が絹糸のように繊細なので、英名はシルク・ツリー。日当たりのよい場所を好みます。 よく似ているオジギソウの葉は、触れるとすぐに閉じてしまいますが、合歓の木(なむのき)は夕方花が咲き出す頃になると、まるで眠るように自分で葉を閉じはじめます。
◆20日 〈月下美人〉(げっかびじん)ただ一度の恋
メキシコ、ブラジルなどに自生するサボテンの一種。月の光の下で真っ白な花を咲かせます。ただならぬ芳香りを放ち、夜明け前に萎んでしまう。まさにただ一夜だけ咲くという神秘的な花。クジャクサボテンは、この月下美人と他のサボテンを交配させが園芸品種のこと。
◆21日〈夾竹桃〉(きょうちくとう)強い力
インド原産。中国を経て日本に渡来。花は桃のように美しく、葉は竹のように細いところに名前の由来があります。公害などにも強いため、街路樹によく使われています。花は一重と八重。色は赤、ピンク、白の他にクリーム色、オレンジもあります。夏の陽射しの中で元気に咲く、夏を代表する花のひとつです。
◆22日〈鋸草〉(のこぎりそう)勇敢
花が分布がする地域は広く北半球。園芸店に出回っているのは、ヨーロッパ原産のものですが、日本にも自生種があります。葉が鋸のようにギザギザなので、和名〈鋸草〉(のこぎりそう)と言います。ギリシャ神話のアキレスにちなんで、別名「アキレア」。傷の治療に用いる薬効成分があります。群生して咲くと見事です。
◆23日〈グロリオーサ〉栄光
アフリカ、熱帯アジア原産。名前の由来はラテン語の「栄光」から。英名は「グローリー・リリー」和名は「狐百合」。華やかな印象で,切り花として人気。豪華なアレンジメントや花束として好まれます。
◆24日 〈デュランタ 〉静かな恋
熱帯アメリカ原産。クマツヅラ科。和名は 「タイワンレンギョウ」。房状に垂れさがって、濃い紫色や白の小花を咲かせます。印象は和風の花です。花のきれいな品種と、葉の美しい品種があります。成長が早く、園芸店で求めた鉢植えを地面に植えると美しい低木になります。
◆25日〈グロキシニア〉華やかな日々
ブラジル原産。イワタバコ科。和名を「オオイワギリソウ」。ビロードのような感触のラッパ型の花を咲かせます。花色もたくさんあり、豪華な印象。熱い夏を彩ります。主に鉢植えで楽しみ、夏の鉢植えの定番とも言える花です。
◆26日〈浜梨〉(はまなし)魅力的な人
日本原産。北海道などの北国の浜辺に咲きます。実が梨のような香りなので〈浜梨〉(はまなし)。今では(はまなす)と呼ぶほうが一般的。花姿も香りも薔薇の花に似ています。花は香料やお茶にも用いられます。濃いピンクの花の他に白花もあります。砂地に自生するため、あまり人目には触れませんが、北国の夏の浜辺をその芳香とともに彩ります。
◆27日〈鶏頭〉(けいとう)色あせぬ恋
インド・熱帯アジア原産。ひゆ科。にわとりのトサカにそっくりなので鶏頭と名づけられました。燃えるような濃い花色が情熱的。
◆28日〈花魁草〉(おいらんそう)温和
日本原産。和名は〈草夾竹桃〉花魁(おいらん)の艶姿に見立てて花魁草。一般にはこの名が広く親しまれているようです。和の華やかさを持っています。
◆29日〈芙蓉〉(ふよう)繊細な美
中国原産。葵科。ハイビスカスの仲間なので花姿がとてもよく似ています。しかし、芙蓉の花は色が淡く東洋的な風情。芙蓉の花はしとやかな美人に例えられ、歌にもたくさん読まれています。「霞雨の空を芙蓉の天気かな」芭蕉の歌は芙蓉の繊細な美しさを表しています。なかでも〈酔芙蓉〉の花は朝白く,夕方にだんだん赤くなることから、中国では酒に酔って頬を赤らめる楊貴妃の美しさに例えているくらい。枯れてからの姿も美しいとされ「枯れ芙蓉」として鑑賞します。まさに〈美〉を象徴する花。
◆30日檜扇菖蒲〉(ひおうぎあやめ)〈誠実
中国原産。あやめ科。平安時代の公家が用いた“ヒノキの扇”に由来。別名〈烏扇〉(からすおうぎ)は、実がまっ黒であることに由来します。古名「ぬばたま」もその実の色に由来。黒をイメージする「夜、髪」などの枕詞(まくらことば)で、万葉集には詠まれています。
◆31日〈カンナ〉永遠
北アメリカ原産。コロンブスのアメリカ発見により、16世紀にヨーロッパに伝わりました。夏の花壇を彩る花ですが、根を食用にする種類もあります。
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by heartlogyflowers
| 2010-04-05 00:21
| 08月/誕生花