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Heartlogy Matrix 「あなたの誕生花」

8月の花散歩

◆1日〈ハイビスカス〉 新しい恋
中国原産。ハワイの気候にあって品種改良を重ね,ハワイアン・ハイビスカスになりました。今ではすっかりハワイを代表する花。ハワイでは垣根の樹として多く見かけます。日本には琉球から江戸幕府に献上されたそうですが、当時は温室もなく栽培が難しかった貴重な花でした。朝咲いて一日でしぼむ花。それが「新しい恋」という情熱的な花言葉の由来です。

◆2日〈向日葵〉(ひまわり)光輝
北アメリカ原産。頭花が太陽に向くことから漢名〈向日葵〉。英名はその名の通り「サンフラワー」。 和名には「日輪草」(にちりんそう)、「日車」(ひぐるま)などがあり、どれも太陽に因んだものばかりです。種子、種子から採れる油は食用になります。家畜の餌(リスなど)になって売られている種を植えると、小さなひまわりが咲くので、群生させるとかわいらしいひまわり畑が楽しめます。


◆3日〈布袋葵〉(ほていあおい)揺れる想い
明治時代に観賞用として渡来。1日咲いて,水中に沈んでしまう一日花。清楚な和風のイメージがする花ですが、アマゾンなど熱帯アメリカ原産。葉の柄の部分の膨らみが、布袋さんのお腹のように見えるので〈布袋葵〉。熱い夏に水面に薄紫の花を咲かせて、涼しさを誘います。

◆4日〈百日紅〉(さるすべり)世話好き/活動的
中国南部原産。中国では宮廷に植えられ愛でられたようです。日本には江戸時代より前に渡来。木肌がつるつとしていて、猿でも滑るから〈猿滑り〉(さるすべり)。〈百日紅〉は花が100日もの間咲き続けるから。美しい花色は、濃いピンクから薄いピンクまであり、熱い太陽の陽射しを受けて元気に咲きます。他に白や黄色もあり、街路樹として多く見られます。

◆5日〈花煙草〉(ニコティアナ)秘密の恋
ブラジル原産。その名の通り,タバコ(煙草)の仲間。最近、園芸種が出回るようになって身近な花になりました。販売公社が民営化になったことから栽培が許可されたといういきさつがあります。花色は、紅、ピンク、白、クリーム色など。白い花には芳香が強く、別名〈ジャスミンタバコ〉。

◆6日 〈千日紅 〉(せんにちこう)変わらぬ愛情
熱帯アメリカ原産。開花時期が長いことから〈千日紅 〉(せんにちこう)と呼ばれます。秋の草原にも美しく咲くので秋の花としてのイメージもあります。お盆に用いられる花でもあるので、この時期切り花としても出回ります。乾燥しても色が奇麗に残るのでドライフラワーにも用いられます。和洋どちらにもアレンジができるので、寄せ植えや花束でも活躍します。

◆7日 〈百日草〉(ジニア)いつまでも変わらない心
メキシコ高原地帯原産。長い期間咲くの〈百日草〉。ブラジルでは幸福を象徴する花として、カーニバルの花として愛されています。ところ変わればで、日本では供花としてのイメージがあります。長持ちすることから仏花として好まれるのでしょう。最近では園芸品種も多く、たくさん出回るようになりました。花の形や色も豊富にあり、開花時期も長いため、夏の花壇を色鮮やかに飾ります。

◆8日〈クレオメ〉幸福
熱帯アメリカ原産。姿がしなやかで可憐な蝶を思わせるのか、和名は「西洋風蝶草」 (せいようふうちょうそう)、「酔蝶花」(すいちょうか)。夕方から花を開き、香りがあります。 夏の花には夕方から咲き始め,夜の闇の中に芳香を放つものが多くありますが、クレオメは舞うように咲く花姿から、夏の花壇に用いられます。公園などで見かけることも多いでしょう。

◆9日 〈マリーゴールド〉変わらぬ愛
メキシコ原産。スペインに渡りアフリカで広がったものを「アフリカン・マリーゴールド」。フランスから広がったものを「フレンチ・マリーゴールド」と言います。太陽に向かって黄金に輝く花=「マリア様の黄金の花」という意味。多くの園芸品種があり、開花期も長いことから公園の花壇や街路でも多く見かることができます。

◆10日〈鷺草〉(さぎそう)夢の中であなたを想う
日本原産。本州、四国、九州の日当たりの良い湿地に咲く蘭科の花。自然が作り出すまさに不思議な花姿、白鷺を思わせる可憐な花は、愛好家を惹き付けて離しません。 貴重な花なので、山野草を扱う園芸店で見つけることができます。山野で群生する姿を見てみたいものです。

◆11日〈ブーゲンビレア〉情熱
南米原産。色鮮やかで花に見える部分は、苞の部分でその中に小さく咲くのが本当の花。苞を触ると紙のような感触である事から英名を「ペーバーフラワー」 。 つる性の低木。鉢植えが普通ですが暖かい海岸地方、沖縄などでは地植えでも育ちます。花姿がよく見ると白粉花に似ていて、オシロイバナ科に属しています。

◆12日〈ジキタリス 〉熱愛
ヨーロッパ、西アジア原産。花の形が指にはめる袋のようなので、ラテン語のジギトス(指)からジキタリス。英名は「フォックス・グローブ」。和名は「狐の手袋」。葉に薬効成分があり、古くから乾燥させて強心剤に用いられてきました。そのため「心臓草」とも呼ばれます。

◆13日〈アンスリウム〉 深い印象
南米原産。鮮やかな紅色の部分は花でなく苞。その真ん中から突き出している部分が花です。その形から英名は「テール・フラワー」。和名を「紅団扇」(べにうちわ)。ハワイからの輸入が多かったのですが、最近では品種改良が進み,国内産の鉢植えが多く出回るようになりました。花色は、紅の他に白、ピンク、淡い緑、紫などもあります。

◆14日〈朝顔〉淡い恋
ネパール原産。日本には江戸時代に観賞用として広まりました。そもそもは奈良時代に中国から薬用として渡来したようです。繁ったつる状の葉の間から姿を見せる花が涼を呼び、日本の夏には欠かせない花。朝露の中で一瞬のうちに咲く花は、英名で「ジャパニーズ・モーニング・グローリー」。花姿も色も多彩で、楚々としたものから豪華なものまで、たくさんの品種が作られています。

◆15日〈禊萩〉(みそはぎ)慈悲/固い意志
日本原産。山野の湿地を好みます。お盆のころに咲くので、別名を「精霊花」。昔からお盆には欠かせない花です。仏さまに供える禊ぎを意味する気品を感じさせる花。園芸品種も増えて、最近では鉢植えも出回り、お盆の切り花としてだけでなく、すっきりした花姿がアレンジメントにも好まれています。

◆16日〈 リアトリス 〉燃える想い
北アメリカ原産。花を槍状につけるものと丸くかたまって咲く玉咲きがあります。そちらも上から下に向かって花を咲かせます。花色は紫の他に白があります。背が高くすっきりとした花姿で、和洋折衷の味わいがあるため近年は花束にしても好まれます。

◆17日〈モントブレチア〉美しい想い出
南アフリカ原産。あやめ科。ヒメオウギスイセンとヒメショウブの交雑により作られました。花を乾燥させてお湯につけるとサフランに似た香りがします。花は濃いオレンジ色ですが、どこか和風の趣きがあります。昔はどこにでも自生したものが見られましたが、最近では切り花としても人気です。

◆18日〈風船葛〉(ふうせんかずら)自由な心
北アメリカ南部原産。小さな花の先にぶらさがった風船(果実)の形がなんともユーモラスです。風船の中には黒いハート型の種子が入っています。英名は「バルーン・パイン」 つる状で支柱に絡み付くので、生け垣にして自然が作るこの不思議な形を楽しむのもよいでしょう。鉢植えも多く出回っています。

◆19日 〈合歓の木〉(ねむのき)歓喜
イラン・インド・東南アジアに分布。豆(まめ)科。薄紅色の花を夏の夕方に咲かせ、夜になると葉を閉じてしまうので、眠りの木。だから(ねむのき)。 (ねんねの木)(日暮らしの木)と呼ぶところも。 花が絹糸のように繊細なので、英名はシルク・ツリー。日当たりのよい場所を好みます。 よく似ているオジギソウの葉は、触れるとすぐに閉じてしまいますが、合歓の木(なむのき)は夕方花が咲き出す頃になると、まるで眠るように自分で葉を閉じはじめます。

◆20日 〈月下美人〉(げっかびじん)ただ一度の恋
メキシコ、ブラジルなどに自生するサボテンの一種。月の光の下で真っ白な花を咲かせます。ただならぬ芳香りを放ち、夜明け前に萎んでしまう。まさにただ一夜だけ咲くという神秘的な花。クジャクサボテンは、この月下美人と他のサボテンを交配させが園芸品種のこと。

◆21日〈夾竹桃〉(きょうちくとう)強い力
インド原産。中国を経て日本に渡来。花は桃のように美しく、葉は竹のように細いところに名前の由来があります。公害などにも強いため、街路樹によく使われています。花は一重と八重。色は赤、ピンク、白の他にクリーム色、オレンジもあります。夏の陽射しの中で元気に咲く、夏を代表する花のひとつです。

◆22日〈鋸草〉(のこぎりそう)勇敢
花が分布がする地域は広く北半球。園芸店に出回っているのは、ヨーロッパ原産のものですが、日本にも自生種があります。葉が鋸のようにギザギザなので、和名〈鋸草〉(のこぎりそう)と言います。ギリシャ神話のアキレスにちなんで、別名「アキレア」。傷の治療に用いる薬効成分があります。群生して咲くと見事です。

◆23日〈グロリオーサ〉栄光
アフリカ、熱帯アジア原産。名前の由来はラテン語の「栄光」から。英名は「グローリー・リリー」和名は「狐百合」。華やかな印象で,切り花として人気。豪華なアレンジメントや花束として好まれます。

◆24日 〈デュランタ 〉静かな恋
熱帯アメリカ原産。クマツヅラ科。和名は 「タイワンレンギョウ」。房状に垂れさがって、濃い紫色や白の小花を咲かせます。印象は和風の花です。花のきれいな品種と、葉の美しい品種があります。成長が早く、園芸店で求めた鉢植えを地面に植えると美しい低木になります。

◆25日〈グロキシニア〉華やかな日々
ブラジル原産。イワタバコ科。和名を「オオイワギリソウ」。ビロードのような感触のラッパ型の花を咲かせます。花色もたくさんあり、豪華な印象。熱い夏を彩ります。主に鉢植えで楽しみ、夏の鉢植えの定番とも言える花です。

◆26日〈浜梨〉(はまなし)魅力的な人
日本原産。北海道などの北国の浜辺に咲きます。実が梨のような香りなので〈浜梨〉(はまなし)。今では(はまなす)と呼ぶほうが一般的。花姿も香りも薔薇の花に似ています。花は香料やお茶にも用いられます。濃いピンクの花の他に白花もあります。砂地に自生するため、あまり人目には触れませんが、北国の夏の浜辺をその芳香とともに彩ります。

◆27日〈鶏頭〉(けいとう)色あせぬ恋
インド・熱帯アジア原産。ひゆ科。にわとりのトサカにそっくりなので鶏頭と名づけられました。燃えるような濃い花色が情熱的。

◆28日〈花魁草〉(おいらんそう)温和
日本原産。和名は〈草夾竹桃〉花魁(おいらん)の艶姿に見立てて花魁草。一般にはこの名が広く親しまれているようです。和の華やかさを持っています。

◆29日〈芙蓉〉(ふよう)繊細な美
中国原産。葵科。ハイビスカスの仲間なので花姿がとてもよく似ています。しかし、芙蓉の花は色が淡く東洋的な風情。芙蓉の花はしとやかな美人に例えられ、歌にもたくさん読まれています。「霞雨の空を芙蓉の天気かな」芭蕉の歌は芙蓉の繊細な美しさを表しています。なかでも〈酔芙蓉〉の花は朝白く,夕方にだんだん赤くなることから、中国では酒に酔って頬を赤らめる楊貴妃の美しさに例えているくらい。枯れてからの姿も美しいとされ「枯れ芙蓉」として鑑賞します。まさに〈美〉を象徴する花。

◆30日檜扇菖蒲〉(ひおうぎあやめ)〈誠実
中国原産。あやめ科。平安時代の公家が用いた“ヒノキの扇”に由来。別名〈烏扇〉(からすおうぎ)は、実がまっ黒であることに由来します。古名「ぬばたま」もその実の色に由来。黒をイメージする「夜、髪」などの枕詞(まくらことば)で、万葉集には詠まれています。

◆31日〈カンナ〉永遠
北アメリカ原産。コロンブスのアメリカ発見により、16世紀にヨーロッパに伝わりました。夏の花壇を彩る花ですが、根を食用にする種類もあります。
# by heartlogyflowers | 2010-04-05 00:21 | 08月/誕生花

9月の花散歩

◆1日〈萩〉(はぎ)誠実、柔らかな心
東アジア原産。まめ科。日本に自生するヤマハギ、マルバハギ、シラハギなどを〈萩〉とよびます。秋の七草の筆頭。控えめな風情が愛され万葉の時代から歌に詠まれてきました。秋の十五夜には昔から縁側などに薄(すすき)や萩を飾りおもちを供えます。そのおもちを〈御萩〉(おはぎ)と言うのも味わいがあります。秋のお彼岸には秋の花〈萩〉にちなんで「おはぎ」、春のお彼岸には春の花〈ぼたん〉にちなんで「ぼたもち」を供えますが、これは呼び名が違うだけで同じものです。

◆2日〈藤袴〉(ふじばかま)ためらい
菊科。秋の七草のひとつ。〈藤袴〉の名前は、花色が藤色で、小さな可愛らしい花の姿が袴(はかま)に似ていることに由来します。昔は、ほのかな香りがあるのでお茶にしたり、防虫剤としても使われたようです。 遠く平安の昔を思わせる、ゆかしい雰囲気の花です。 「秋の七草」は、萩(はぎ)/桔梗(ききょう)/撫子(なでしこ)/薄(すすき)女郎花(おみなえし)/葛(くず)/藤袴(ふじばかま)

◆3日〈桔梗〉(ききょう)誠実な愛
日本、中国、朝鮮半島に自生。桔梗科。6月ごろから咲き始めるのですが、日本では秋を代表する花、秋の七草のひとつとして古くから愛されてきました。また、家紋に取り入れられるなど、その凛とした風情が昔から武士に好まれました。根にキキョウサニポンという薬効成分があるため、中国では鎮咳などの薬として古くから用いてきました。日本では、その花姿を歌に詠み、また茶花として愛でて生活の中で眺めてきたようで、〈桔梗〉という漢字を見ても日本的な情緒を感じます。

◆4日〈ペンタス〉誠実
熱帯アフリカ原産。アカネ科。春から秋にかけてと開花時期が長いのですが、夏の終わりから秋にかけての寄せ植えにおすすめ。星形の小さな花を一箇所に房状にまとめて咲かせ、花色は赤、白、ピンクなど。その可憐な花姿が初秋の涼しさを呼び、暑かった夏の疲れを癒してくれるようです。寒さには弱いので、鉢上げして室内で冬を越せばまた翌年楽しむことができます。

◆5日〈女郎花〉(おみなえし)純真
日本原産。おみなえし科。遠い昔からこの繊細な花姿は人々に愛され、秋の七草のひとつになりました。おみな=女、えし=圧という意味らしく、“圧倒するくらいの美しさ”から(おみなえし)。古人の美意識がうかがわれるような気がします。地味な花ですが、秋になると一度は眺めてみたいと思う花です。園芸店でも秋の花のアレンジメントに好まれていますが、やはり秋風に揺れる姿を山野で見るのが一番でしょう。白い花が咲くものを〈男郎花〉(おとこえし)とよびます。

◆6日 〈紫苑〉(しおん)追憶
日本、中国、朝鮮半島原産。菊科。古く平安時代から日本人に愛されてきました。「今昔物語」には〈思い草〉〈忘れぬ草〉として、また「源氏物語」「枕草子」にも登場します。紫色の花びらに黄色の心花が、秋風に揺れる姿は可憐で、どこから見ても東洋的な美しさに溢れた花です。

◆7日〈金襴紫蘇〉(きんらんじそ)健康
熱帯~亜熱帯地域原産。紫蘇科。一般には〈コリウス〉という名で親しまれていますが、和名で〈金襴紫蘇〉と読むとその姿がよりイメージできます。もうひとつの花言葉に〈善良な家風〉がありますが、庭や花壇に咲くさまざまな色合いの美しい葉は、健康的な一家団欒の風景を感じさせてくれます。挿し芽で増やせる種類のものがあり、簡単に増えますので毎年、楽しむことができます。

◆8日〈金木犀〉(きんもくせい)謙遜
中国原産。木犀科。中国では「お月さまには木犀の大木が茂っている」という言い伝えがあるそうで、それは中秋の名月の頃に、どこからともなくその香りが漂ってくるからなのでしょう。
小さな花のどこにその香りが詰まっているのかと思うほど、遥か遠く彼方からその芳香はやってきます。白い花が咲くものを〈銀木犀〉(ぎんもくせい)と言います。庭があったらぜひ、金銀の木犀を揃えたいものです。花言葉のひとつに〈想い出の輝き〉があります。香りと共に記憶する想い出がありますから、木犀の香りはそれくらい印象的だということなのでしょう。

◆9日 〈杜鵑〉(ほととぎす)秘めた思い
日本原産。ゆり科。野鳥のほととぎすの胸元の模様と似ているので、同じ名前で呼ばれます。湿った土を好み、夏から秋の終わりまで山野の日陰に咲きます。もうひとつの花言葉は〈永遠にあなたのもの〉。弓なりに垂れた茎に、笹に似た葉をつけ、その葉の根元にひとつひとつ丁寧に並べて置いたように、蕾をつけます。花の形はなかなかユニークです。しなやかに揺れるので茶花や、生け花に好まれます。

◆10日〈チトニア〉幸福
メキシコ~中央アメリカ原産。菊科。インカ帝国のシンボルフラワー。名前の由来は、ギリシャ神話の暁の女神アウローラに愛された青年ティトヌスにちなんだもの。花色は暁のように鮮やか。和名を「メキシコひまわり」と言いますが、どちらかというとダリアに似ています。しかし高さが2m近くにもなるものがあるので、その背丈から「メキシコひまわり」になったのでしょう。

◆11日〈孔雀草〉(くじゃくそう)友情
北アメリカ原産。菊科。ひとつの枝に野菊のような花がたくさん咲きます。それがちょうど、孔雀が羽を広げたように見えます。白孔雀と紅孔雀があります。白孔雀が切り花として人気になり、ユウゼンギクとの交配によって、藤紫、ピンクなど花色が増え、それを総称して〈クジャクアスター〉と呼ぶようになりました。

◆12日〈葉鶏頭 〉(はげいとう)不老不死
インド・熱帯アジア原産。ひゆ科。花ではなく葉を鑑賞します。その葉の先端は、黄色、淡紅色~紅色、緑に美しく色づき、秋の深まりとともにさらに鮮やかさを増します。周囲の環境に合わせて身体の色を変える昆虫のようで、いかにもインド・熱帯アジア地域の植物という感じがします。秋の楚々とした花の中にあって、その姿はひときわ艶やかで立派です。見事な色の葉は、日本秋を鮮やかに飾ってくれます。

◆13日〈秋海棠〉(しゅうかいどう)親切
中国、マレーシア原産。シュウカイドウ科。江戸時代の始めに渡来。春に咲く海棠とはまったく違い、ベゴニアの仲間です。普通に見るベゴニアと違って、耐寒性が強く戸外でも越冬できるため、野性化して大きくなっているものを庭先や路地で見ることがあります。ハート形の可愛らしい花が終わると、葉の付け根にムカゴが出来て、それが地面に落ちて発芽して増えていきます。

◆14日〈紅葉葵〉(もみじあおい)思いやり
北アメリカ原産。葵科。葉が紅葉に似ているのでモミジアオイというちょっと古風な名前で呼ばれます。ハイビスカスの仲間なので、同じように一日にひとつづつ花を咲かせます。花は南国の花、ハイビスカスとほとんど変わらないのに、葉の形と呼び名のせいで、日本的な風情を感じるから不思議ですね。明治の始めに渡来してから日本の秋を飾る花のひとつとなっています。

◆15日〈黒百合〉(くろゆり)恋の魔術
本州以北、北海道地域に分布。ゆり科。高山に咲くミヤマクロユリと北海道の低地に咲くエゾクロユリがあり、エゾクロユリの方がより花色が黒いようです。黒い百合というだけでなんとも神秘的な印象ですが、高山にひっそりと咲くのであまり目にする機会はありません。見ただけで恋の魔術にかかってしまうのでしょうか。

◆16日〈水引 〉(みずひき)心づかい
日本、中国原産。蓼(たで)科。贈り物をの包み紙を結ぶ水引きに似ていることから、この名前がつきました。細長い花穂に点々とついているなんと小さな花。その小さなは花はよく見ると上が赤、下が白に染め分けられて、まさに水引きそのもの。お行儀よく並んで咲いている姿はけなげで可愛らしい。山野の少し暗いところを好みますが、庭の片隅に植えてもあっと言う間に繁殖します。

◆17日〈菊芋〉(きくいも)美徳
北アメリカ原産。菊科。菊のようなこの美しい花は、土の中に芋をつけます。だから菊芋。もう少し可愛らしい名前でも、と思わぬでもないのですが,その芋は食用になり野趣あふれる味がします。開花時期の違いで〈犬菊芋〉(いぬきくいも)と〈菊芋〉(きくいも)とがあるのですが、〈犬菊芋〉には芋はつかないというのが見分け方のようです。 向日葵(ひまわり)のように太陽に向かって咲く性質があります。英語では「太陽に向かって走る」、ギリシャ語では「太陽の花」という意味をもつ名前があるようです。

◆18日〈秋明菊〉(しゅうめいぎく)
中国原産。キンポウゲ科。菊と名前がついていますが、〈金鳳花〉(キンポウゲ)の仲間。京都に自生しているところがあるそうで、その地域の名をとって〈貴船菊〉(きぶねぎく)〈貴船牡丹〉(きぶねぼたん)と呼ばれています。現在の栽培品種はヨーロッパに渡って交配されたもの。英名は「ジャパニーズ・アネモネ」。

◆19日〈蔓花茄子〉(つるはななす)安心
インド原産と言われています。茄子(茄子)科。一般的には山保呂志(やまほろし)の名で親しまれていますが、同じ仲間の違う植物のようです。花姿は茄子の花に似ています。それが蔓状に咲くので〈蔓花茄子〉(つるはななす)。少し濃淡が違う薄紫と白の花が、同じ蔓に咲くので、そのグラデーションが奇麗です。開花時期はながく初夏の頃から秋まで咲きます。

◆20日〈嫁菜〉(よめな)可憐
中部以西の本州から九州に分布。菊科。野菊の中の野菊。万葉集には、摘み草として〈うはぎ〉の名で詠われています。春に芽吹く若芽を味わったからです。関東地方に自生するものを〈かんとうよめな〉。〈のこんぎく〉と呼ばれる野菊も若芽が食用になります。山菜として珍重されています。山野に多く咲き、淡い青紫色の花が秋風に揺れる花は可憐のひとことにつきます。

◆21日〈蓼〉(たで)健康
東南アジア原産。日本全土に分布。蓼(たで)科。〈犬蓼〉(いぬたで)、〈大犬蓼〉(おおいぬたで)は、道ばたや空き地に普通に見られるものです。通称〈あかまんま〉。「蓼食う虫も好き好き」という言葉は、蓼には辛い成分があってそれを好む虫がいることから。花姿が良くないという意味ではありません。むしろ赤い穂のような姿が、風に揺れる風情はとても秋の情緒を感じさせてくれます。他に白い花を咲かせる〈白花犬蓼〉(しろばないぬたで)、〈柳蓼〉(やなぎたで)があります。

◆22日〈見せばや〉(みせばや)上品な美
日本原産。弁慶草(べんけいそう)科。香川県小豆島に野生種があり、日本では古くから栽培されていました。〈見せばや〉という名前は「奇麗だからだれに見せようか。」ということに由来。それほど、古人を魅了した花だと言うことでしょう。「玉の緒」とも呼ばれ、ピンク色の花と白っぽい緑の葉の組み合わせが上品です。岩場を好み丈夫で栽培しやすいため、ロックガーデンや吊り鉢に向きます。同じ仲間に〈岩蓮花〉(いわれんげ)、〈弁慶草〉(べんけいそう)、〈大弁慶草〉(おおべんけいそう)などがあります。

◆23日〈玉簾〉(たますだれ)忠実
ペルー原産。彼岸花(ひがんばな)科。日本にはかなり古くに渡来。〈玉簾〉(たますだれ)は夏の季語になっています。別名を「ゼフィランサス」。地域によっては、夏水仙(なつすいせん)と呼ぶところも。耐寒性が強く、球根でよく増えるので花壇の縁取りや、門から玄関までの道のりによく植えられています。初夏によく似たピンク色の花を見かけます。これは同じ仲間の〈サフランモドキ〉、〈モモイロタマスダレ〉です。

◆24日 〈大弁慶草 〉(おおべんけいそう)活発
日本原産。弁慶草(べんけいそう)科。香川県小豆島に野生種があり、日本では古くから栽培されていました。〈見せばや〉の仲間。〈弁慶草〉(べんけいそう)よりも花色が奇麗。岩場を好み丈夫で栽培しやすいため、ロックガーデンや吊り鉢に。園芸店では改良品種の〈カランコエ〉が鉢植えとして人気です。同じ仲間に〈岩蓮花〉(いわれんげ)、〈弁慶草〉(べんけいそう)など。

◆25日〈珊瑚花〉(さんごばな)幸福
ブラジル原産。狐の孫(きつねのまご)科。花姿から「珊瑚」をイメージしてつけられた名。ピンクの長い花が噴水のように開きます。別名「ジャコビニア」。「珊瑚」がつく花は、他に〈壷珊瑚〉(つぼさんご)、〈珊瑚樹〉(さんごじゅ)、〈珊瑚刺桐〉 (さんごしとう)がありますが、どれもその花姿から珊瑚をイメージしてつけらえれたので、同じ仲間ではありません。

◆26日〈花縮砂〉(はなしゃくしゃ)淡い恋心
インド原産。しょうが科。別名ジンジャーリリー。姿や根茎がしょうが、花がユリに似ています。短くただジンジャーとも呼ばれます。(はなしゃくしゃ)は2mにも成長するものもあり、花びらが蝶が舞うように見えるので、バタフライリリーの別名も。食用にはなりません。

◆27日〈トレニア〉愛嬌
ベトナム~インドネシアに分布。ゴマノハグサ科。別名に〈ナツスミレ〉〈ハナウリクサ〉という可愛らしい名前もあります。また和名は〈花爪草〉。トレニアはプランターで栽培される園芸種で、春蒔き、秋咲きの1年草で初夏から秋まで咲きまが、こぼれ種で翌年も咲きます。

◆28日〈秋桜〉(コスモス)乙女の真心
メキシコ原産。菊科。コスモスはギリシャ語で「宇宙」。和名は〈秋桜〉。アメリカ大陸からスペイン、そこからイギリスに渡り、日本には明治時代に渡来。メキシコ高地に咲くコスモスは、丈が2m以上にもなり、日光を好むと言いますからその雰囲気もだいぶ違うのでしょう。品種改良が進み、色も大きさもさまざまに豊富になっています。街道沿いや休耕田に栽培され、秋にはなくてはならない花です。

◆29日〈りんどう〉正義
本州、四国、九州に分布。りんどう科。根には苦みがあります。熊の胆より苦いので竜胆(りゅうたん)、それが変化して〈りんどう〉となりました。竜胆は胃腸の働きを活発にして腹痛を和らげます。園芸店で見るのは、〈ふでりんどう〉〈えぞりんどう〉の栽培種。岩手県の安代町で作られる〈安代の女〉は、オランダに輸出されていて愛好家に珍重されています。

◆30日〈沢桔梗〉(さわぎきょう)高貴
日本各地に分布。桔梗科。山地の湿地や水辺に見られるので(さわぎきょう)。園芸店でみる赤い色の〈あかばなさわぎきょう〉は、北アメリカ減産のロベリア・カージナリス。熱帯魚の水草として輸入されているもの。野生種はだんだんと減少していますが、ビオトープなどで見ることができます。
# by heartlogyflowers | 2010-04-05 00:18 | 09月/誕生花

10月の花散歩

◆1日〈柊木犀〉(ひいらぎもくせい)想い出の輝き
中国原産。もくせい科。〈柊〉(ひいらぎ)と〈銀木犀〉(ぎんもくせい)との雑種で、葉のギザギザが少し違うところで区別します。 甘い香りがするので街路樹として好まれます。もくせい科の花が持つ芳香は、秋の花々の中でも独特で人を惹き付けるだけの魅力があります。秋の想い出の中にこの香りを描く人は多いのではないでしょうか。

◆2日〈石蕗〉(つわぶき)謙虚
日本各地に分布。菊科。葉が〈蕗〉(ふき)に似ています。その葉に艶があるので、「つやぶき」。それが「つわぶき」になりました。 花色はすっきりした濃い黄色で奇麗です。「キャラブキ」はつわぶきの佃煮のこと。茎を蕗と同じように佃煮にしたものです。微かな苦みがあって美味です。

◆3日〈錦木〉(にしきぎ)静かな想い
日本原産。ニシキギ科。秋の季語。山野に自生する高さ1~2mの落葉低木。鮮やかな赤に紅葉する姿は、カエデにも劣らない美しさ。 春に小さな花が咲き、秋にオレンジ色に熟する果実も美しく、庭木や生垣にすると華やか。枝や幹にコルク質の翼があるところから、別名をカミソリノキ、ホウチョウギ。 この〈錦木〉に限らず紅葉が美しい木に咲く花は、一様にひっそりと地味で、賑やかな春の花の中では見落されがちなのですが、秋に本領発揮。かわいらしい実と共に楽しませてくれます。

◆4日〈十月桜〉(じゅうがつざくら)精神美
ヒマラヤ、中国、日本原産。ばら科。開花時期は、10月から翌年の1月くらいまで。春にもう一度咲くので二度楽しめます。よく狂い咲きの桜と勘違いされます。少し遅れて咲く〈冬桜〉は〈十月桜〉が八重なのに対して一重。春の桜の華やかさには及びませんが、この時期に咲く桜には静かな美しさを感じます。花言葉の由来もそこにあるのでしょう。

◆5日〈浜菊〉(はまぎく)幸福
日本原産。菊科。太平洋側の暖かい海岸沿いに自生します。白いマーガレットによく似た花をつけます。葉の形が独特です。花の少ない季節の寂しい海辺に群生して咲く姿には目を見張るものがあります。 海辺に咲く花は、なかなか街中では見る事ができないのであまり馴染みがないのですが、秋の静かな海を散歩する機会があったらぜひ探してみてください。秋の浜辺が小さな花に飾られていることに気がつくことでしょう。

◆6日 〈茴香〉(ういきょう/フェンネル)賞賛に値する
ヨーロッパ原産。せり科。葉は独特な甘い香りと味で「魚のハーブ」ともいわれ魚料理にあう定番ハーブ。ヨーロッパでは茎のやわらかい部分をスープや煮込み料理に、種はスパイスやハーブティーにします。生葉は刻んでサラダに、花はドライフラワーに。冬に地上部が枯れ、春に新芽が出てきます。株分けもできるので庭やプランターに植えておくと便利です。フェンネルにあるアネトールが肉の脂肪分を分解し、消化を助けます。また食欲増進、消化促進、利尿作用、眼精疲労にも効能があるようです。

◆7日(南蛮煙管)(なんばんぎせる)物思い
インドから日本にかけて広い地域に分布。ハマウツボ科。ススキの根に寄生する植物。寄生植物は葉緑素を持たないので自分で養分を作ることができません。名前の由来は、紅紫色の花姿がキセルに似ているところから。園芸用として売られているものはイトススキと一緒に植えられています。自分ひとりでは生きていけない花というのは、可憐ではかなげな感じでいいですね。花言葉にも深い趣きを感じます。

◆8日〈磯菊〉(いそぎく)感謝
関東地方南部から静岡県御前崎までに分布。きく科。海岸の崖や斜面などに自生しています。波打ち際の砂地や岩盤の僅かな隙間などに、這うようにして小さな黄色い花を咲かせます。葉は銀白色。秋から12月頃まで咲き続け、冬の海岸を彩ります。

◆9日 〈釣船草〉(つりふねそう)期待
日本各地に分布。つりふね草科。名前の由来は、細い柄に小さな船が吊り下がっているように咲くことから。秋風に揺れる様子には、心が和みます。なんとも風情のある名前です。花には密がたくさんあり蜂が集まります。鳳仙花(ほうせんか)も同じ仲間で、実に触れると種子が飛び散ります。よく似た花に、〈黄釣船草〉(きつりふねそう)があります。

◆10日 〈姫林檎〉(ひめりんご)名声
東アジア原産。バラ科。可愛らしい淡紅色の花は、5月~6月に咲きます。ヒメカイドウによく似ています。秋に濃紅色の果実をつけ、大きさは直径2から6cmくらい。エゾリンゴとイヌリンゴの交配品種で、花と実を鑑賞するために改良が重ねられてきました。春と秋に園芸店で一目を惹く一鉢。もうひとつの花言葉に〈誘惑〉があります。これは、禁断の林檎を食べてしまったアダムとイブの話に由来。それくらい赤い実は可愛らしく思わず手にとりたくなります。

◆11日 〈ネリネ〉幸せな思い出
南アフリカ原産。ヒガンバナ科。リコリスによく似ています。色は明るいピンクが代表的ですが、他に赤、白、サーモンピンクもあります。日光に当たるとひときわ輝くため、別名をダイアモンド・リリー。名前は、ギリシャ神話の中の美しい水の妖精、ネリネに由来します。

◆12日 〈通草〉(あけび)大きく開く才能
日本、中国原産。アケビ科。紫紅色の花が春に咲きます。趣きがある花です。秋に紫のかかった長楕円形の果実をつけます。熟すと縦に裂けて、その中にあるゼリー状の果肉は甘く、山野を歩いて見つけたときの喜びは格別。つる性の落葉低木で、山野の中では地味なのですが、熟した実が大きく開くところからでアケビ(開け実)=大きく開く才能、という花言葉が生まれたようです。

◆13日 〈ペチュニア〉変化に富む
南アメリカ原産。茄子(なす)科。春から秋頃まで咲き続けて、 雨や暑さにも強いため、 ガーデニングの代表的な花のひとつ。 ひとまわり花が小さい 「サフィニア」はペチュニアの新品種。これは1989年にサントリーが開発したもの。別名を「衝羽根朝顔」(つくばねあさがお)といいます。春から咲き始めて、真夏にちょっと一休み。(一度刈り込みをします)するとこの時期にまた鮮やかに咲き揃います。7月8日と同じ誕生花。

◆14日 〈ピラカンサ〉燃ゆる想い
ヨーロッパ東南部からアジアに掛けて分布。バラ科。初夏に可愛らしい白い花をぎっしりとつけます。それが秋になると真っ赤な実をつけます。ギリシャ語で「火のような実と刺のある木」をピラカンサ。まさに赤い実は火のよう。タチバナモドキ、トキワサンザシ、ヒマラヤトキワサンザシの3種類をピラカンサと呼ぶようです。黄色い実もあり、これもまた綺麗。庭木に両方植えると幸福が来ると言う地域もあるとか。耐寒性、耐暑性もあり、刺があるため生垣にも使われます。英名をファイヤーソーン。

◆15日 〈瑠璃茉莉 〉(るりまつり)小さな愛
南アフリカ原産。磯松(いそまつ)科。 夏から秋にかけて長い間咲き続ける。さわやかな水色(瑠璃色)の5弁花。つる状に垣根は門扉に絡まる花姿は涼しげ、可憐で純粋な印象。もうひとつの花言葉「いつも明るい」。

◆16日 〈白薔薇〉(バラ)秘密・秘密を守る
アジア・ヨーロッパ原産。バラ科。薔薇は春と秋、二度咲きます。春の薔薇は華やかでゴージャスですが、秋の薔薇は季節の風景の中に、密やかに佇んでいる感じで風情があります。白薔薇には、特に気品が感じられます。秘密のシンボル。

◆17日 〈唐辛子〉(とうがらし)生命力
中央~南アメリカ原産。ナス科。コロンブスによりヨーロッパに渡り、その後世界中に広がった香辛野菜。鮮やかな赤色のトウガラシ。香辛料、青果の他に鑑賞用としての園芸品種も多くなりました。冬の部屋を飾るリースの材料としても人気です。情熱的な赤色と対照的に、その花は白い星形で可憐。日本には、豊臣秀吉の朝鮮出兵の時に持ち帰られたと言われきましたが、日本の対馬から朝鮮半島に渡ったというのが事実のようです。

◆18日 〈綿〉(わた)繊細
インド、熱帯アジア原産。アオイ科。繊維として使われる綿には、アジア綿と新世界面とがあります。基部が木質化するため一見、木のようですが実は多年草に属します。夏にフヨウに似た黄色い花を咲かせます。花が散るとそこから丸い実ができて、果皮が秋になって熟して割れると真っ白い綿がでてきます。その姿が不思議で面白いのでドライフラワーとしても人気です。

◆19日 枸枯〉(くこ)〈長寿
東アジア原産。ナス科。夏に紫色の可憐で小さな花を咲かせます。花が終り、秋になると可愛い真っ赤な枸枯ができます。落葉低木で薬用植物として有名。湿った土手や草地を好みますので、庭木としてはあまり見かけませんが、可憐な花と赤い実は鑑賞しても楽しく、漢方薬としてのイメージだけではかわいそうなくらいです。

◆20日 〈茶〉(ちゃ)誠実な心
中国原産。ツバキ科。中国四川省、雲南省が原産地。日本には1100年代に僧侶が持ち帰ったと伝えられています。日本独独自の茶道が生まれたことからもわかるように、日本人には欠かせないものです。白い花びらと金色の雄しべ。控えめでゆったりとした花姿は、歌人の心を捉えて、たくさん歌に詠まれてきました。この花の咲く頃に、季節は冬へ向かって寒さを感じるようになります。

◆21日 〈山茶花〉(さざんか)愛嬌
日本原産。ツバキ科。日本自生の常緑小高木。江戸時代にさかんに園芸品種が作られました。自生種は白の一重。園芸品種は300種類以上あると言われ、色も白以外に桃色、赤色、ぼかしなど。花は八重、半分八重。ツバキとの違いは、花がばらばらに散ること。「さざんかさざんか咲いた道」の童謡に歌われるのは、木枯らしの吹く寒い冬の小道でのたき火の風景。寒い冬に向かって咲き出すさざんかは、1月くらいまで美しい花を咲かせます。

◆22日 〈パンジー〉私を想って
北ヨーロッパ原産。スミレ科。秋から年を越えて夏まで咲き続けます。早春から初夏のイメージが強いのですが、咲き始めるのがこの時期。古くからイギリスを中心に改良が進められました。小輪のビオラもその仲間です。昔は白、黄色、紫が多かったので、日本ではサンシキスミレとよばれたパンジー。今は多彩な色で目を楽しませてくれます。もうひとつの花言葉は〈物思い〉。フランス語の思索(パンセ)に由来します。

◆23日 〈秋麒麟草〉(あきのきりんそう) 安心
北アメリカ原産。菊科。別名〈泡立草〉(アワダチソウ)花が酒を醸造するときの泡立ちに見立て、この名前がつけられました。低地や山地の日当たりのよい草地などを好み、茎の高さは30~100センチくらい。背の高いものを〈背高泡立草〉(せいたかあわだちそう)と言います。 花粉症の原因とも言われたりして雑草扱いされますが、よく見ると黄色の頭花をたくさんつけて綺麗な花です。(あきのきりんそう)という愛らしい響きの名前で覚えてください。

◆24日 〈サフラン〉歓喜
地中海東部原産。アヤメ科クロッカスの仲間。雄しべは乾燥させてスパイスとして使われます。花は淡紫色で雄しべは紅色。この紅色の部分が(黄色のサフランライスに用いられる)スパイスになります。サフランの語源は(アラビア語で黄色を意味する)ザファランに由来。

◆25日 〈梅擬〉(うめもどき)明朗
本州、四国、九州に分布。モチノキ科。初夏の頃に、白や紫紅色の小さな花を咲かせ、秋に枝いっぱいの紅色の実をつけます。梅に似ているので〈梅擬〉。冬の霜が降りるころまで実が楽しめるので〈落霜紅〉とも書きます。果色が黄色い〈キミノウメモドキ〉、白い〈シロウメモドキ〉もあり、鑑賞用として好まれています。園芸品種の小さいコショウバイも仲間です。

◆26日 〈実葛〉(さねかずら)再会
日本原産。マツブザ科。つる性の常緑植物。晩夏のころに黄白色の花を咲かせます。古事記にも登場する植物。昔、汁液は整髪料、鬢(びん)付け油の原料として使われました。実葛はとは実(さね)が美しい葛(かずら)という意味。山野にあるつる性低木ですが、花も実も光沢のある葉も美しいので庭木、生垣にも好まれます。

◆27日〈コルチカム〉幸福
ヨーロッパ原産。ユリ科。土に植えずに置いておくだけで花を咲かせる不思議な球根植物。色は淡紫紅色、藤紫色、白色など。園芸品種が多くあります。英名はオータムクロッカス。和名をイヌサフランと言いますが、姿が似ているためで、クロッカスとサフランは別の種類に属します。球茎に劇薬成分を含みます。

◆28日 〈蕎麦〉(そば)共に分かち合う
中央アジアから中国東北部原産。タデ科。奈良時代には救荒食物として栽培。種を蒔いてから80日ほどで収穫できるためです。食用の蕎麦になったのは(屋台の蕎麦屋が登場した)江戸時代。畑一面に咲く白い花は信州の代表的な風景のひとつ。この花の後の果実が黒褐色に熟し、これを挽いて蕎麦粉にします。

◆29日 〈烏瓜〉(からすうり)良い便り
中国、台湾、日本原産。ウリ科。つる性の多年草を多く見かけますが一年草もあります。朱赤色の実があまりにも印象的なので目立たないのですが、白いレースのような可憐な花が夏の夜に咲きます。
朱赤色に熟す実は、花材として秋を演出します。実の中にある種子を「玉章(たまずき)」とよび、漢方では鎮痛、鎮咳薬としても使われます。果実が黄色いものもあります。

◆30日 〈ゼラニューム〉愛情・幸福
南アフリカ原産の四季咲きの花。愛情に満ちた幸せな家庭のシンボルとして、「右手にパンを、左手にゼラニュームを!」と言われるくらい、ヨーロッパの窓辺には欠かせない花。風露草(ふうろそう)科。別名「天竺葵」(てんじくあおい)。江戸時代にオランダから渡来。同じ仲間に〈ローズゼラニューム〉、〈もみじ葉ゼラニューム〉。 6月29日の誕生花も〈ゼラニューム〉。暖かい地方では1年中咲きますが、夏と秋に元気があり花色が特に見事です。

◆31日 〈銀杏〉(いちょう)長寿
中国原産。イチョウ科。落葉の高木。神社や寺の境内、街路樹としてもさまざまな場所で見ることができます。大阪の御堂筋、東京は外苑などが有名。真っ赤な楓とならんで秋を飾る代表的な木です。
花の開花は春、4~5月頃。種子は秋に熟してギンナンとなります。葉を煎じて飲むと不老長寿に効くとされ、また近年では脳の細胞を活性化する成分が含まれていると注目されています。
# by heartlogyflowers | 2010-04-05 00:17 | 10月/誕生花

11月の花散歩

◆1日〈紅葉〉(もみじ)美しい変化
日本の広範囲に分布。カエデ科。最もよく見られるもみじはイロハカエデ。他にタカオモミジ、ヤマモミジなど。改良が重ねられてその種類は200とも言われます。昔から日本人は、「花・月・雪・時鳥・紅葉」を美しいものとして歌に読んできました。江戸時代にはカエデの園芸が盛んで多くの絵が描かれています。

◆2日〈冬珊瑚〉(ふゆさんご)愛情
ブラジル原産。ナス科。夏に白い星形の花を咲かせ、それが秋から冬に掛けてプチトマトのような実になります。その実は緑色、薄黄色、橙色、赤色に変化し熟していきます。実の大きさが違う観賞用の鉢植え、暖かい地方では庭木として春頃まで楽しめます。

◆3日〈唐橘〉(からたちばな)
中国原産。ヤブコウジ科。万両(まんりょう)の仲間。別名をカラタチマンリョウ。中国では〈百両金〉と言います。夏に白い小さな花をつけ、それが秋に赤い実に熟します。江戸時代から縁起のいい花木として改良がすすめられ、たくさんの品種があります。

◆4日〈パンパスグラス〉寛大な愛
南アフリカ原産。イネ科。草原や平原を意味するパンパス。銀色に光る大きな姿は雄大で、背丈は2~3mくらいになります。和名は白銀葦(しろがねよし)と言って江戸時代に渡来。花穂には淡いピンクや紫になるものもあります。ドライフラワーとして人気があります。

◆5日〈野路菊〉(のじぎく)忘れられぬ人
日本の本州~四国、九州に分布。キク科。海辺の岩地を好んで群生します。主に西日本の海岸近くに多く見られます。花色は鮮やかな白。それがだんだんと赤くなってきます。地味ですが、静かな秋の海にぴったりと合います。兵庫県の県花。

◆6日 〈ユーカリ〉美しい思い出
オーストラリア原産。フトモモ科。世界中に500~600種類あるとも言われ、アースとラリア、ニュージーランド、タスマニアに分布。白色の花が咲きます。コアラが好む葉は独特の香り。その葉で作られる精油は、薬用として花粉症などに用いられたり、香料としても広く利用されています。

◆7日 〈サンダーソニア〉信頼
南アフリカ原産。ユリ科。オレンジ色の可愛らしい鐘のような花姿のため、別名クリスマスベル。英名はチャイニーズ・ランタン。花期は夏なのでこの時期、オーストラリアやニュージーランドからの輸入がさかんになり、日本では晩秋から春にかけて園芸店に出回ります。

◆8日〈がまずみ〉未来
中国、朝鮮半島、日本に分布。スイカズラ科。春に白い花をつけ、秋にそれが赤い小粒の実になります。実が黄色になるものもあります。実は最初は酸っぱいのですがだんだんと甘くなり、霜が降りるころまで実り野鳥たちの大好物。花も実も華奢なのに枝は折れにくく、昔は杖などに用いられたそうです。

◆9日 〈木立矢筈葛〉(こだちやはずかずら)美しい瞳
熱帯アフリカ原産。キツネノマゴ科。別名、ツンベルキア。つる性植物で、青紫色の花の真ん中が黄色。可憐で印象的な花です。黄色の花びらに真ん中が黒色。紫青の花びらに黄色のものなど。花色も花姿もたくさんあり品種が豊富です。

◆10日〈龍の髭〉(りゅうのひげ)変わらぬ想い
中国、日本に分布。ユリ科。夏に淡紫色の花をつけ、種子は秋に光沢のある青紫の玉になります。この玉を「龍の玉」と呼びます。この鮮やかな玉を見つけると思わず立ち止まるほど綺麗。日陰を好んで群生するので目立ちませんが、最近ではガーデニングにも好まれています。

◆11日〈みかん〉清純
日本原産。ミカン科。温州蜜柑は日本独自のもの。ウンシュウミカンは鹿児島県長島が原産で、妬く500年以上前からあったとされています。初夏のころに白い花をつけ、それが橙色の甘い蜜柑になります。みかんの花は昔から、甘い香りの清楚な花がやがて熟して実ることから、縁起のいい花として、花嫁を飾る花としてベールやブーケに用いられてきました。もうひとつの花言葉に「花嫁の喜び」があります。

◆12日〈花梨〉(かりん)唯一の恋
中国原産。バラ科。春に木瓜(ぼけ)に似た花が咲くことから「木木瓜」とも言われています。地味ですが可憐な花です。晩秋に熟す黄色の実は生では食べられません。アルコールにつけたり、煎じたりして咳止めの薬として用います。のど飴には欠かせない実です。

◆13日〈小楢〉 (こなら)快活
中国、松泉半島、日本に分布。ブナ科。春に若葉から垂れ下がるように咲く黄色い花穂をつけます。これが秋にドングリになるのです。小楢だけでなく、ブナ科の木の実を総称してドングリと言います。小楢のドングリは実が小さめ。雑木林や公園などで一番よく見かけることができます。

◆14日〈吾亦紅〉(われもこう)変化
中国、松泉半島、日本に分布。バラ科。晩秋の野の花といえば〈われもこう〉ではないでしょうか。ひそやかで寂しそうな花は、日本の風情によく似合い、古くから茶花に好んで用いられてきました。暗紅色の実のような花は、よく見ると小さな花が集まったもの。白色もあり、最近では洋風のアレンジメントにも好まれます。

◆15日〈猿捕茨〉(さるとりいばら)元気
中国、朝鮮半島、日本に分布。ユリ科。山野に自生するつる性植物。葛にある刺に猿もひっかかるというところに名前の由来があります。春に咲く薄緑色の小さな花が、秋になると赤い実になりこれが花材として人気です。葉はお菓子を包んだりして利用します。地味ですが山野で赤い実を見つけると嬉しくなります。

◆16日〈ネフロレピス〉清々しい愛
熱帯~亜熱帯地域に分布。シノブ科。一般的にはただ「シダ」と言い岩や樹に着生します。野性で見ることができるのはクマシダ。1年中青々として美しい葉ですが、寒くなるこの頃には特に、明るく瑞々しい葉は花束には欠かせません。アレンジメントに使うグリーンとして最も好まれる葉です。インテリアとしての鉢植えでも人気の定番です。

◆17日〈白樺〉温順
北アメリカ、ヨーロッパ北部に分布。日本では北海道、本州以北に分布。カバノキ科。秋に美しい黄色になります。樹液には解毒作用があります。飲料、ガム、歯磨き粉などに使われるキシリトールのことです。白く美しい樹皮、堂々とした木は「森の貴婦人」と呼ばれます。

◆18日〈枸橘〉(からたち)思い出
中国原産。ミカン科。柑橘類の台木になります。長いトゲがあるためかつては生垣に用いられましたが、最近はあまり見かけません。もっと安全な防護柵があるからでしょう。春に白い花が咲きます。それが秋になって黄色の実に熟し、秋の日差しの中で金色に輝きます。

◆19日〈シラー〉冷静
ヨーロッパ、アメリカ、アジアに分布。ユリ科。日本の自生種はツルボといい、他にの世界中にたくさんの品種があります。別名スキラと呼ばれるこの花は晩夏から秋に咲くもの。春から夏に掛けて咲くものなどその種類は90種以上。青紫の星形の花が冠のように丸くなって咲きます。色は他に白、ピンクなど。

◆20日〈青木〉(あおき)変わらぬ心
日本原産。ミズキ科。春に花をつけそれが秋い赤い実となり、そして春まで実をつけます。庭木としてどこにでも見られ馴染み深いものですが、光沢があって美しい葉と赤い実とのコントラストが印象的。そのため園芸品種も多く鉢植えは観葉植物として人気です。

◆21日〈アイビー〉(西洋木蔦)永遠の友情
ヨーロッパ、北アメリカ、アジアに分布。斑入りのものを始めとして、園芸品種は数百とも言われています。私達にお馴染みなのはセイヨウキヅタで、紅葉はしません。吸着してしっかりとしがみついて離れないところから、もうひとつの花言葉に〈死んでも離れない〉というものがあるそうです。

◆22日〈ブバルディア〉
メキシコ、熱帯アメリカ原産。アカネ科。花嫁の白いブーケには無くてはならない花のひとつ。花を十字に開くので白い十字架を思わせるからです。ブバリアとも呼ばれます。白の他にピンクや赤もあります。1年中栽培されていますが、秋の結婚シーズンに欠かせないので、この月の花となっています。クリスマスの頃にも好まれるので、12月の花とするところもあるようです、

◆23日〈ベゴニア〉幸福な日々
ブラジル原産。シュウカイドウ科。ベゴニアは1年中咲きますが、園芸店で、晩秋からクリスマスまで出回るものを、冬咲きベゴニアとして呼んでいます。翌年の春までつぎからつぎへと花を咲かせて、寒い季節を暖かく飾ります。園芸家には魅力的な花で、品種改良が重ねられてその数は膨大にあります。

◆24日 〈枇杷〉(びわ)温和
日本原産。バラ科。晩秋から翌1月くらいの間に香りのよい花をつけます。厚みのある葉は冬中茂り漢方薬として用いられます。また染料として用いると、葉からは想像もできないくらい優雅な淡いオレンジピンクのような色に染まります。6月においしい実がなります。果実として代表的なものは長崎の〈茂木びわ〉これは江戸時代に長崎で中国人によってもたらされて改良されたものだそうです。

◆25日〈くろがねもち〉寛容
モチノキ科。済州島、関東以西の日本に分布。名前の由来は、枝や葉の濃い紫色が黒色にも見えるところから。初夏に淡い紫色の目立たない花をつけます。それが晩秋から冬の間中、見事に真っ赤な実に熟します。寒さの中で赤くなる実は美しく、街路樹だけでなく鉢植えとしても出回っています。

◆26日〈寒菊〉(かんぎく)友情
中国、日本原産。菊科。寒さの中に咲くので冬菊、霜の菊とも呼びます。日本人は寒さの中で咲く花を健気だとして好むようで、たくさんの歌に読まれてきました。晩秋に見る鮮やかな黄色のスプレー咲きの寒菊は、日本の秋の終わりを美しく飾ります。園芸店では、年末年始を飾る花として売り出すので、お正月の花としての印象もあるようです。

◆27日〈スパティフィラム 〉爽快
中央~南アメリカ原産。サトイモ科。カラーの仲間で洗練された印象。光沢のある青々とした葉と純白の花は、鉢植えの観葉植物として人気です。生育が早く、株分けで増やすことが出来ます。別名をホワイト・アンスリューム。

◆28日〈丸葉の木〉(まるばのき)早熟
中部から近畿地方、広島、四国など北海道以南に分布。まんさく科。別名をベニマンサク。マンサクの名は、「まず咲く」ことに由来。他の花に先がけて咲くことから花言葉の意味があるようです。秋に葉が紅葉してそれから鮮やかな大きな赤い花を咲かせます。独特な香りがあります。園芸種もたくさんあり、葉色が美しいので庭木として人気があります。

◆29日〈八手〉(やつで)健康
日本、台湾原産。ウコギ科。温暖な地を好む常緑木。日陰でもよく育つので庭木の定番。茎の先に白い花を咲かせます。別名〈天狗の羽団扇〉(てんぐのはうちわというユーモラスな名前を持ちます。 大きな葉には魔物を追い払う力があるという言い伝えからつけられたようです。

◆30日〈浜ひさかき〉 (はまひさかき)安心
中国原産。椿科。温暖な海岸地域、日当たりの良い海岸の山に多く見られます。光沢のある葉っぱが外側に反りかえるのが特徴。薄い黄緑色の小花が枝にかたまって咲きます。花のあとに5mm位の緑色の実をつけ、熟すと紫黒色になります。 よく似ている花に〈ひさかき〉があり、浜ひさかきと違うのは、葉っぱは外側には反りかえらないこと。榊(さかき)”のかわりとして神事に使われます。
# by heartlogyflowers | 2010-04-05 00:14 | 11月/誕生花

12月の花散歩

◆1日〈寒椿〉(かんつばき)愛情
日本原産。椿科。寒椿は山茶花(さざんか)と椿の雑種とも言われています。関西では〈獅子頭〉(ししがしら)と呼ばれていて、この獅子頭から改良されたものを寒椿と呼んでいるようです。山茶花よりも後に咲き、上に向かって伸びる山茶花に対して、横に茂っていくものを寒椿とするようですが、幹が真っすぐ高くなるタチカンツバキもあります。

◆2日〈蔓梅擬〉(つるうめもどき)努力
朝鮮半島、日本に分布。ニシキギ科。初夏に咲く花は地味。それが秋になるととても美しい実をつけます。緑色から黄色になり、熟して割れると中から真っ赤な種子が顔を出すのです。黄色と赤色のコントラストが美しいことと、曲がった蔓の面白さから生け花の花材としてとても人気があります。

◆3日〈白妙菊〉(しろたえぎく)穏やか
地中海沿岸原産。菊科。厚みがあってふわふわした葉が寒い季節に暖かさをよびます。白銀色がクリスマスの赤と似合って、クリスマス・アレンジメントの寄せ植えにも人気です。初夏から初秋にかけて黄色い花を咲かせまが、やはり人気は葉の方にあり、1年中楽しめますが梅雨時の湿気や真夏の熱さには弱いようです。英名はダスティーミラー。

◆4日〈カトレア/カトレヤ〉美しい人
アンデス山系原産。ラン科。春咲き、夏咲き、秋咲き、冬咲きと1年中見るカトレアですが、冬の寒い時期に見るのが一番豪華。たくさんあるランの中でも女王と呼ぶに相応しい優雅さです。名前のカトレアは、初めて栽培したイギリス人、ウィリアム・カトレアにちなんだもの。

◆5日〈双葉葵〉(ふたばあおい)愛情
日本の本州から九州に分布。ウマノスズクサ科。徳川家の家紋として有名ですが、山地に自生しているので目にする機会は少ないのではないでしょうか。しかし、園芸家には密かな人気があり、山野草店では鉢植えを手に入れることができます。ハート型の葉の間に小さな鈴のような可憐な花を咲かせます。葉が一株に二枚しかないところから、双葉葵と呼ばれます。

◆6日 〈ホワイトレースフラワー〉繊細
地中海沿岸原産。セリ科。名前の通り、まるでレースのようです。薄紫色のブルーレースフラワーは、花姿も異なり同じセリ科でも別属。

◆7日 〈プロティア〉栄光
南アフリカ、熱帯アフリカ原産。ウアマモガシ科。園芸店に見るのはキングプロティア。他に90種類以上あると言われています。ビロードのような質感と大きな花はドライフラワーのようで、いかにもアフリカ原産という印象。実際に咲いているところを見てみたいものです。南アフリカの国花。

◆8日〈シクラメン〉はにかみ
東地中海原産。サクラソウ科。多年草ですが、熱さに弱いので夏越しが少し難しい花です。園芸種類はたくさんあり葉色も花色、花姿もさまざま。株の小さなミニシクラメン花も出回っていて、クリスマスの寄せ植えなどに人気です。ハート型の葉にうつむきかげんに花が咲きます。花言葉の由来はそんな花姿にあるのでしょう。

◆9日 〈セントポーリア〉細やかな愛
東アフリカ原産。イワタバコ科。ダンザニア、ケニアの限られた場所にだけ咲く多年草。別名アフリカスミレ。葉押しで増やす事ができ、可憐な花を好む愛好家が多い事で有名。通年、室内で楽しむことができるため品種改良が盛んで、その種類は10.000ともそれ以上とも言われています。

◆10日〈柚子〉(ゆず)健康
中国原産。ミカン科。日本には奈良時代に渡来し、それ以来、日本人の生活には欠かせないものとなり栽培されてきました。初夏に白い花を咲かせ、それが黄色い実に熟します。その香りは日本の冬を楽しませてくれます。冬至の柚子湯、そして日本料理、お菓子などさまざまに使われます。

◆11日〈アフェランドラ〉期待
熱帯アメリカ原産。キツネノマゴ科。代表的な品種はスクアロサ・ダニアで、ブラジル原産のもの。縞模様の葉に黄色い花が咲く苞。すべてが南米的でエキゾチックな植物です。花色は橙、赤などもあります。美しい葉にちなんで別名を〈金葉木〉(きんようぼく)と言います。

◆12日〈月桂樹 〉(げっけいじゅ)勝利 栄光
地中海沿岸。クスノキ科。古代ギリシャでは勝利者の冠に使われたことから、今でもオリンピックなどで優勝者の頭を飾ります。英名をローレル、またはベイリーフ。常緑木で葉と枝に芳香があり、乾燥させて香辛料などに用います。春に黄色い小さな花が咲き、晩秋からそれが黒紫色に熟します。以外にも耐寒性があります。庭に1本あると便利です。

◆13日〈葉牡丹〉(はぼたん)祝福
西・南ヨーロッパ原産。アブラナ科。葉が牡丹の花に似ているので葉牡丹。寒さに強く紅白の色をしているので、日本のお正月に欠かせない植物になりました。キャベツ、ケール、カリフラワーの仲間で、葉牡丹はケールを改良したもの。春に咲くなのはなのような花も可憐です。

◆14日〈万両〉(まんりょう)寿ぎ
インド、中国、台湾、朝鮮半島、日本に分布。ヤブコウジ科。お正月飾りにかかせない。赤い実は晩秋から熟して、翌年の夏頃までつきます。千両との違いは実の付き方。万両は葉の下や側枝に赤い実をつけます。他に橙、白、黄色の実があります。千両とアリドオシを加えて「千両、万両、有り通し」という楽しいゴロ合わせがあります。

◆15日〈冬知らず〉幸せな家庭
地中海沿岸原産。菊科。晩秋から翌年初夏まで咲き続けます。耐寒性があって、小さい可憐な花はキンセンカの小型版。別名を「カレンデュラ」といい、金盞花(キンセンカ)のことです。

◆16日〈寒白菊〉(カンシロギク)清純
北アフリカ原産。菊科。別名ノースポール。マーガレットにも似た可憐な花。冬から早春まで咲き続けますが、白い花びらに黄色い花芯が寒い冬にはひときわ可憐で美しく感じられます。陽が当たる暖かいところに植えてください。生命力が旺盛で挿し木で増やすことができます。花壇の寄せ植に人気です。

◆17日〈ブルビネラ〉陽気
南アフリカ、ニュージーランド原産。ユリ科。英名をキャット・テール(猫の尻尾)と言います。その名の通り、長く伸びた花穂はくねくねと曲がります。最近は切り花として人気で、冬から春にかけて園芸店で見るようになりました。オレンジや白の花もあります。

◆18日〈千両〉(せんりょう)
東アジア、本州~沖縄など温暖な地域に分布。センリョウ科。万両と同じ縁起植物。お正月の生け花には欠かせません。熟した実は富の象徴。別名「草珊瑚」山野の木陰などに自生し、庭木としても好まれる常緑小低木。実が黄色いものを〈キミノセンリョウ〉と言います。

◆19日〈薮柑子〉(やぶこうじ)感謝
北海道~九州に分布。ヤブコウジ科。山野の薮陰に生えるので〈薮柑子〉と言います。夏に白い花が咲き、秋に鮮やかな真っ赤な実をつけます。古くは〈山橘〉と呼ばれて歌にも詠まれました。白い実をつけるものを〈シロヤブコウジ〉と言います。鑑賞植物として貴重。実だけでなく斑入りの葉も鑑賞します。

◆20日〈紅弁慶〉(べにべんけい)幸福
マダガスカル原産。ベニベンケイ科。別名カランコエの名でお馴染みの多肉植物。葉をさしておくだけで繁殖する生命力が長寿や健康をイメージさせ縁起植物として好まれています。ヨーロッパで品種改良が進み、園芸植物として普及。赤、白,黄色、オレンジ、ピンクなどの色がたくさんあって、秋から翌春まで楽しめます。

◆21日〈エラチオールベゴニア〉高貴
href="http://www.google.co.jp/images?client=safari&rls=en&q=エラチオールベゴニア&oe=UTF-8&redir_esc=&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=ohb-TLnyMMa8rAfIytSCCA&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=7&ved=0CGAQsAQwBg&biw=1317&bih=774" target="_blank">イギリスで(球根ベゴニアと根茎ベゴニア)を交配。シュウカイドウ科。リーガーズベゴニアも仲間で、こちらはドイツのリーガーさんが作ったもの。〈エラチオールベゴニア〉は秋から冬に開花するので〈冬咲きベゴニア〉とも呼びます。ベゴニアにはたくさんの種類があり、毎年新品種が誕生するとも言われ、コレクターが世界中にいます。

◆22日〈ポインセチア〉祝福する
メキシコ原産。トウダイグサ科。別名、クリスマスフラワー。赤い花に見えるのは苞葉という葉っぱです。最近はピンクや薄黄色などのものもあります。メキシコインディアンにとって、この葉を清純の象徴。染料や樹液は薬に用いたりしていました。アメリカに紹介したポインセット氏にちなんでポインセチアと命名されました。

◆23日〈クリスマスローズ〉追憶
地中海沿岸原産。キンポウゲ科。雪の中、クリスマスに開花する白い可憐な花を〈クリスマスローズ〉と言います。ヨーロッパでは「クリスマスのバラ」と呼ばれて愛されています。園芸店などでよく見るのは、異なる品種の春咲きのクリスマスローズ。白の他に、暗紅色、薄ピンク色などがあり地植えでもよく繁殖します。

◆24日 〈西洋柊 〉(せいようひいらぎ)永遠の輝き
ヨーロッパ、西アジア、アフリカ北部に分布。モチノキ科。赤い実のついた柊。クリスマスにはこの神聖な木を玄関に飾ります。クリスマスケーキやパイなどの飾りに欠かせないもの。春に香り高い白い花をつけ、晩秋から真っ赤な実になります。別名「クリスマスホーリー」。葉はモクセイ科に柊(ひいらぎ)と似ています。

◆25日〈宿り木 〉(やどりぎ)幸せになる
北海道から九州に分布。ヤドリギ科。ケヤキ、クリ、サクラ、ブナなどの木に寄生します。落葉樹に寄生するので冬になると目につきます。この頃に黄色い実をつけるので、クリスマスの飾りに用いられます。ヨーロッパでは神が宿る神秘の木とされているので、クリスマスの時に玄関の扉の上に飾ります。その下でキスをした二人は、結ばれるという言い伝えがあります。

◆26日〈ストレリチア〉寛容
南アフリカ原産。バショウ科。オレンジ色の冠に紫色のくちばし。英名は「バード・オブ・パラダイス」、和名は「極楽鳥花」(ごくらくちょうか)とそのまま。日本ではアロエと同じく、寒い季節に花を咲かせます。高さは1mくらいになり、暖地では地植えでも育ちます。個性的な花材として、アレンジメントに用いれられたりして、切り花としても人気があります。

◆27日〈日本水仙 〉(すいせん)崇高
地中海沿岸原産。ヒガンバナ科。ヨーロッパからシルクロードを通って中国から渡来。可憐な姿に似合わず、くらくらするくらいの強い香りを持っています。スイセンは品種改良が盛んで、その数は1万種を越えるとも。「日本水仙」の花姿は優しく清楚です。

◆28日〈南天〉(なんてん)幸せ
中国、東アジア、日本に分布。メギ科。「難を転ずる=なんてん」と言われる縁起木。お正月の生け花に欠かせません。初夏に白い花を咲かせて、晩秋に真っ赤に熟し冬中楽しむことができます。暖地の林に自生。庭木にも好まれます。赤い実は咳止めの薬になります。実の白いものを〈シロミナンテン〉と言います。

◆29日 〈蝋梅〉(ろうばい)温かい心
中国原産。ロウバイ科。江戸時代に渡来。葉が出る前に半透明の透き通った黄色い花を咲かせます。褐色の花の芯に香りがあります。仲間に花の芯も黄色い〈ソシンロウバイ〉(素心ろうばい)があります。初夏に褐色の花をつけるのは、アメリカロバイ(クロバナロバイ)、これは別種です。花が少ない時期に見つけると気持ちが和んで嬉しくなります。花言葉はそんなところからつけられたのでしょう。

◆30日 〈アロエ〉(あろえ)不老不死
アフリカ原産。ゆり科。別名〈医者いらず〉としてお馴染み。 苦みが整腸ややけどに利く。一般に目にするのは〈きだちアロエ〉。健康食品として様々なものに加工される。ヨーグルトなど食用として使われるのは苦みがなく、葉の幅が広い〈アロエ・ベラ〉夏に咲く種類もあるが、11月から2月くらいまでの間に朱色の花を咲かせる。まとまって咲いていると綺麗。

◆31日 〈デンマークカクタス〉瞬間の美
ブラジル原産。サボテン科。明治時代に渡来した。別名〈シャコバサボテン〉は花姿が「蝦蛄(シャコ)」に似ているため。 色はピンクや赤、白などがあり茎の先に次々に咲く姿は華やかで、クリスマス頃に咲く事から〈クリスマスカクタス〉とも言われる。冬の室内を鮮やかに飾る、プレゼントに人気の花。
# by heartlogyflowers | 2010-04-05 00:11 | 12月/誕生花